開拓団受け入れに向けて、カトパンとともに無人島へ向かった”職人”こと、橋本。
“職人”による無人島レポート第8弾です。
前回のレポートはこちら
【“職人”の無人島レポート⑦】つながり、動画撮影「テントの露コーヒー」(来島)
無人島モーニングを済ませると、今日の動きを確認する。16時には船を出すので、撤収作業は余裕を持って14時開始と決めた。それまでに、キャンプサイトの整地を終わらせたい。昼食や休憩の時間を引くと、残りは5時間もない。湿気で濡れた下面を乾かしておくため、テントをひっくり返してから、サイトに移った。
整地すべきサイトの広さは、およそ100㎡ある。大人6人が寝られるテントを、4つ張れる広さだ。実際にメジャーで測り、四隅に木の枝を刺して目印を立ててみると、「あれ?こんなに広いの?」と思うくらい目測とのギャップがあった。
サイトは、全体的に東が高く、西にかけて低くなっている。最小の労力で進めるため、高くなっている東側半分をスコップで堀り、掘った土をそのまま西側の低い方へ投げ捨てて盛土にし、フラットにする方法をとった。ただ、草が多すぎて、いきなりは掘れない。まず、草刈り機で下草を刈り取って熊手で集めて捨て、地表を出す。と、だいたいここまでが昨日の作業で、今日は穴掘りマシーンと化し、ひたすらスコップとクワを使い分けて東側半分を掘りまくる。
作業は、思ったよりも難航した。土自体は柔らかいのだが、下草の根がびっしりと生え渡っていて、一回の動作では土が掘り起こせない。何度もスコップを突き刺して、根を切りながら、東側の地面全体を30cmほど下げていった。土の中から、カブトムシの幼虫が次々に出てくる。夏に来たら虫好きの天国だろうな、と思いながら幼虫をサイトの外に埋めなおしておいた。
延々と2人で作業を続けること4時間、辺りは大部分が掘り起こされ、畑のようになっていた。実際に種を蒔けば、収穫が見込めそうな気がする。将来的には、何かを自給できるかもしれない。ふらふらの状態で拠点に戻り、昼食の準備に取り掛かる。しかし、カトパンが取り出したのは、太めのパスタだった。乾麺。一瞬、顔が楳図かずおの画のようになった後、「水がねえといってるんズラー!」と正気を失いかけた私は、ハッと我に返った。ある。パスタを茹でる水ならある。地球一杯分。
転んでも、ただでは起きない無人島。カトパンは「それも撮りましょう」と、海水でパスタを茹でる様子を撮影する準備を始めた。浜に行き、鍋で海水をすくい取ってくると、焚き火に掛けて湯を沸かす。塩は多めに入れるといい、と昔「ためしてガッテン」で聞いたことがあるし、天然のミネラルで案外おいしくなるかもしれないな、と思いながらパスタを入れて待つこと10分、海水パスタが茹で上がった。
鍋のふたを取ると、ぼわーんとした湯気の向こうからパスタが現れた。まずはそのまま味を見てみる。口に入れると、あれ?意外と普通にいける。もしかして定番?定番なの?と思ったときに、口内が罵りたくなるほどの塩気に襲われた。塩分のありがた迷惑。ミネラルの出しゃばりすぎ。興味のある方は、強い下味を、あっさり系のソースと合わせてどうぞ。
そんなことをしているうちに、時刻は撤収開始の14時になった。
(つづく)
第9弾はこちら
【“職人”の無人島レポート⑨】荷造り、100年先への渡し方(来島)
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