【“職人”の無人島レポート①】自宅にて、地図の作成

【“職人”の無人島レポート①】自宅にて、地図の作成

開拓団受け入れに向けて、カトパンとともに無人島へ向かった”職人”こと、橋本。”職人”による無人島レポートをお送りします。

地図が必要だ、とまず考えた。島に行く前に、自分がこれから踏み込んで行くフィールドがどのような場所なのか、地理的な概要を知っておく必要がある。それに、地図がなければコンパスが使えない。

そもそも、知らない地形、知らない森の中へ闇雲に突っ込んでいくことは、それ自体が目的のアクティビティーとしてはありかもしれないが、「迷ったら安全な方をとる」野外体験の理念に反する。

島の地図を作るため、早速、国土地理院発行の地図を、紙面とデジタルで取り寄せた。しかし、実際の地図を見てみると、来島は「とりあえず地図には入っていますよ」というくらいの感じで、かなり小さい。手に入る地図の中で最大の縮尺は25000分の1だったが、それでも小さすぎて、そのままでは使い物にならなかった。だから、ここからが仕事になる。

デジタル地図をトリミングして、来島だけを切り出し、最大まで拡大したあと、エクセルに貼り付け、更に拡大する。それに、磁北線を加える。磁北線というのは、方位磁針が指す南北線のことだ。実は、地図上の北と方位磁針が指す北は、常にズレている。だから、方位磁針が指す北を目指してどれだけ進んでも、北極点にはたどり着けない。地図上の北に進みたければ、磁北線とのズレ(偏差)を補正した北(進行線)を別に求めなければならない。そのための道具がプレートコンパスで、それを使うためには地図に磁北線が必要、ということになる。国土地理院の情報によれば、来島周辺の偏差は、西に約7度だ。エクセル内で正確に引いた上下線を−7度回転させ、それをコピーして等間隔の平行線を5本引いた。これで、地図のマスターは完成である。

あとは、A4にプリントアウトして、任意の線分が正確に整数倍されるまで、大きさの微調整を繰り返せばいい。今回は、こうして1/2500の地図を作った。地図上の1㎝は実際の25mになる。ただ、元のデータを1000%拡大しているので、線はかなり荒くなった。トレーシングペーパーで手描きすれば見やすくなるが、こだわれば切りがない。当座の地図としてはこれで実用に足るだろう。

地図だけからでも読み取れる情報は、いくつかある。来島にある地図記号は8種類だ。針葉樹林、広葉樹林、果樹園、荒地、へい、岩、岩がけ、三角点(68.3)である。

測量当時の地形が大きく変わっていないとすれば、現在タカハマチャンネル【ここが頂上か?! ドローンで検証!! 】で紹介されている高台は海抜20~30mほどの地点で、その2~3倍高い島の頂上(三角点)が南方に存在することがわかる。

また、昔は果樹園として島の一部が利用されていたようだ。農作業に島内の水を利用していたとすれば、記号の周辺に水路や水源が見つかる可能性が高い。さらに、等高線から谷状の地形を見つけて探索すれば、そこでも水が得られるかもしれない。谷は、そこに水が流れたというその土地の記録だ。

地図を使うことで、島の探索ができるようになる。まず我々で、水源やいくつかの安全なルートを見つけたあと「地図とコンパスを使って、水源を探せ!」という活動を子どもたちと楽しむのはどうだろうか。地図を読むために必要な平面図形と空間認識の力は、こんなところでも活きてくる。

(つづく)


第2弾はこちら
【“職人”の無人島レポート②】開拓団、経験の調達(安芸津、お好み焼き屋にて)

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