開拓団受け入れに向けて、カトパンとともに無人島へ向かった”職人”こと、橋本。
“職人”による無人島レポート第6弾です。
前回のレポートはこちら
【“職人”の無人島レポート⑤】水不足、頂上、地図の実用性(来島)
拠点に戻ってから、カトパンと私は、日が暮れるまでキャンプサイトの整地をした。テントを張る場所は、平らな方がいい。ゴツゴツした場所や、傾斜がある場所で眠るのは、意外とストレスが大きいからだ。整地をしながら(というより暇さえあればいつも)2人で無人島について話していた。カトパンが興奮冷めやらぬ様子で「明日は、今日の山登りを、インスタのゲリラライブでもう一度やりましょう」と言う。私も初めは「やっちゃえ、カトパン」などと気づかれない矢沢永吉のマネをしつつ乗り気だったのだが、何か少し違和感があった。モノマネの精度のことではない。「もし、登頂の様子を自分が見せられたら、どう思うだろうか?」
サバイバルのような状況でなくとも、違和感や不安は、自分がまだはっきりとは捉えられない危機を知らせる、重要なサインだ。感じたならば、それは言語化しておいた方がいい。
ともあれ、夕食の支度を始める。当番は私だ。
ミニトマトとモッツァレラチーズを器に空け、オイルと塩で和える。すぐに、簡単で「ンまあ~い」カプレーゼができあがる。それをつまみながら、チゲスープを鍋で温め、豚小間2パックと鍋用の野菜を入れる。水不足なので、豆腐は水ごと入れた。ついでにチーズの袋に入っていた水も入れた。小雨が降り始める。チゲをハフハフして温まりながら、最後は2人分の大きさの1枚肉ステーキを焚き火で網焼きする。固っ。
夕食後、焚き火に薪をくべながら、私たちは無人島について6時間話し続け、その過程で違和感の正体を言語化した。それは「無人島の魅力の本質は、未知であること」ではないか、ということだ。私たちがその日、頂上を目指しているときに感じたものを、子どもたちにも同じように感じてほしいと思ったとき、何が必要なのか。余計なものを捨てていき、最後に残るものは何なのか。それは「この先にどんな冒険が待っているのかわからない」という未知性なのではないか。それは、なぞぺーの楽しさや目的が「未知への探求・探究」であることと通じている。わからない。だから、そこへ行きたくなるのだ。
そう考えると、動画配信でこれ以上島の未知を明らかにすることは、逆に無人島の魅力を削いでしまうことになる。「やはり動画に載せるのはやめよう」そう結論して、我々はぐっすりと眠った。
いや、本当のことを言うと、私は深夜、カトパンの「リンゴありますかね?リンゴ―、ありますかね?」という、意味不明なうえに意外と大きい声の寝言で起こされていた。ないよ。
(つづく)
第7弾はこちら
【“職人”の無人島レポート⑦】つながり、動画撮影「テントの露コーヒー」(来島)
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