四月、新年度が始まりました。ご入園・ご入学・ご進級を迎えられたみなさま、おめでとうございます。わが家の子どもたちも、新6年生・新4年生・新年中となり、それぞれに節目の年。私自身だけでなく、子どもたちの“花まる歴”もずいぶん長くなってきました。そこで今年度の連載では、あらためて花まるのコンテンツと、わが家なりのかかわり方や具体的な事例を中心にお届けしていきます。
1年生から6年生までの計算教材「サボテン」。主に宿題で進め、年間十二冊。6年間続けると、なんと七十二冊分の積み重ねになります。「前の自分より伸びること」を目的とした仕掛けがたくさんあり、やる気をもって取り組めます。実際、私が教室で担当していた子どもたちも、授業でサボテンに取り組むときは「やるぞー!」と目を輝かせていました。
ところが、小学生の親になり、家庭で取り組む立場になってまずぶつかったのが「習慣化の壁」。授業では集団の力で前向きにできても、家庭で継続的に取り組むとなるとまた別の難しさがあります。
長女・長男のサボテン学習を通して感じるのは、「宿題はやるものだ」という大前提はぶらさずに、子ども一人ひとりの性質をよく観察し、理解したうえで、家庭の環境を整えることが鍵だということ。
長女には、最初に「宿題はやるものだ」というところを私が強く押し出しすぎました。もちろんその軸はぶらさないことが大切なのですが、性質の観察が足りていなかった……。“柔らかさ”と“譲れない軸”のバランスを見極められていませんでした。
二人目の長男は、私が加減をつかめたこと、また本人の性質もあり、習慣化までは比較的スムーズに。ところが次にぶつかったのが、「思い立ったらいますぐやりたい」という壁でした。
「やる!」と思ったら即スタート。でもサボテンのタイムは親に計ってほしい。
急に始める長男と、まだ準備が整っていない私。
「待って待って」と止めると、せっかくのやる気がしぼんでしまう……。
思考と行動が同時という、幼児の特性がまだ残っている時期ならではの難しさでした。
打開のヒントは、花まるの年中・年長授業で意識している「導入を導入と思わせない語りかけ」。始める前の準備もふくめて、すでに“サボテンをやっている”状態にしてしまうのです。
たとえば、
「いつもの確認いくよー?」
「日付は?」→「ОK!」
「消しゴムは?」→「ある!」
「背中はー?」→「伸ばす!」
というコール&レスポンスを入れ、その間にこちらはタイマー準備。最後の「よーい、スタート!」は親子で同時に声を出す。すると準備段階から子どもの気持ちが乗り、「いますぐやりたい」という欲求も満たされるようになりました。
これはわが家のほんの一例で、きっとご家庭の数だけ、サボテンとの物語があるのでしょう。続けていると、どんどん新しい壁が出てきたり、一度越えたと思った壁にまたぶつかったり。でも、そのぶん「継続」と「習慣」の力は確実に積み重なります。
四月から初めてサボテンに取り組んでいるご家庭は、この時期、戸惑う場面もあるかもしれません。「こんなこと聞いていいのかな?」「わが家だけかな?」と思わず、ぜひ何でも教室長にご相談ください。お子さま一人ひとりに合った声かけや方法を、花まるとご家庭で一緒に考えていけたら嬉しいです。
花まる学習会 勝谷里美
🌸著者|勝谷 里美
花まる学習会の教室長を担当しながら、花まる学習会や公立小学校向けの教材開発や、書籍出版に携わる。現在は、3児の母として子育てに奮闘中。著書に『東大脳ドリルこくご伝える力編』『東大脳ドリルかんじ初級』『東大脳ドリルさんすう初級』(学研プラス)ほか