小学1~3年生コースで扱っている思考力教材「なぞぺー」では、「空間認識」「平面図形」「試行錯誤」「発見」「論理」の5分野の問題に触れながら、幼児期だからこそ伸びる力を育てていきます。また、花まるの教室だからこそできる寄り添い方で、「できちゃった!」「わかっちゃった!」という感覚を積み重ね、「考えることって楽しいな」という土台を3年生までに作ることも大切にしています。
さて、わが家の年中の次女は水泳教室に通っています。いまぶつかっているのが、「跳び込み」の壁。膝上ほどの水深のプールに、コーチと手をつながずに一人で跳び込む――それができず、固まってしまうのです。
見学席からの印象ですが、次女にとっては技術的に難しいというよりも、心の壁が大きいように感じます。まわりの子が次々と跳ぶなかで、自分だけが跳べずに流れを止めてしまう。
「今日は跳べるかな?」という周囲が固唾をのんで見守るような空気がプレッシャーとなり、さらに動けなくなる……。そんな悪循環が起きているように感じました。
次女のその姿を見て、花まるの教室で、なぞぺーが難しくて手が止まってしまう子どもたちの姿を思い出しました。
なぞぺーの指導では、「スモールステップ」を大切にしています。手が止まってしまったときは、ヒントを渡しながらその子の思考を少しずつ引き出し、階段を登れるようにサポート。そして最後の一段は、自分の力で「できちゃった!」「自然と、わかっちゃった!」という感覚で登りきってもらいます。
実際、わが家の小学4年生の長男も、その積み重ねのなかで、考えることを楽しめるようになってきました。今年度から高学年コースで取り組みはじめた「Sなぞぺー」は、高学年ならではの思考力問題を週に1問、考え抜いてくることが宿題です。試行錯誤を繰り返し、考えた跡を残す経験のなかで、「本質を見抜く力」や「やり抜く力」を鍛えてもらっています。
Sなぞぺーの1回目に取り組んだときのこと。親も一緒になってうんうんうなりながら、答えを導き出したとき、「たっのし~!」と一言。またその解説を聞いたときには、「よく、こんな問題を思いついたねぇ」と(なぜか、上から目線ですが……)。そして、最後に「先生が解いたら、俺よりすっごく早く解けてた!」と感嘆の一言。
その三つの言葉に、小1~小3までの三年間のなぞぺーで積み上げてきたことが詰まっているようです。
・考えること自体を楽しめている
・他者(問題作成者)に思いを馳せる視点が育っている
・「自分の出した解答よりスマートな別解」があることをすごいと思える
――まだまだ幼さもだいぶ残る彼ですが、この土台があればこの先も大丈夫そうだな、と親としては嬉しく見守っています。
話を戻すと、きっと次女の跳び込みにも、いま必要なのは同じこと。確実に越えられる小さなステップとそのサポートを積み重ね、「気づいたら、できちゃった!」という感覚を体験させてあげたいと思っています。それは、学びの場面でも、日常のさまざまな挑戦でも、子どもが前に進むための大切な鍵です。
花まる学習会 勝谷里美
🌸著者|勝谷 里美
花まる学習会の教室長を担当しながら、花まる学習会や公立小学校向けの教材開発や、書籍出版に携わる。現在は、3児の母として子育てに奮闘中。著書に『東大脳ドリルこくご伝える力編』『東大脳ドリルかんじ初級』『東大脳ドリルさんすう初級』(学研プラス)ほか
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