【花まるリビング53】『「好き」「楽しい」からの始動力』勝谷里美 2026年1月

【花まるリビング53】『「好き」「楽しい」からの始動力』勝谷里美 2026年1月

まさかの「始動力」 

 花まる低学年コースの毎日の宿題【あさがお(書き写し)とサボテン(計算)1日1ページ】は、その目的の一つに「始動力を鍛える」というものがあります。

 「始動力」とは、【「さぁやろう」と動ける活発さ、試行錯誤をする力、チャレンジ精神、手を動かして考える力などの行動力・企画力・仕事をつくる力】。 
 あさがお・サボテンで鍛えられるのは、そのなかでも特に【「さぁやろう」と動ける活発さ】――自分から動き出す力です。毎日テキストを開いて「さぁやろう!」と自分の気持ちを動かす経験の積み重ねも狙っています。
 わが家の小3長男も、小1のときは苦戦していましたが、2年半の経験を経て、自分からページを開けるようになってきました。とはいえ、疲れや眠気でやる気が出ない日もあるのが現状です。
 そんな長男は、最近、筋肉キャラに目覚めました。「ほら! ここ、筋肉ついてるでしょ?」と力こぶを見せてきます。鏡を見て「自分が~きんに君に見えてきた!」と言うほどです。(そんなことない……と心の中で突っ込みつつ、すごいねぇとほめます。)
 ある日、宿題の時間になっても寝っ転がって「疲れた~」とごろごろする長男。声をかけるか見守るか悩んでいたところ、いきなりガバッと起き上がって一言。
「そうだ、俺、鏡で筋肉を見て、元気出してくる!」
 そう言って鏡の前に走り出したのです。そして言葉通り、鏡で自分の筋肉(っぽいもの)を見てやる気のスイッチを入れてさささっと取り組んでいました。
 (そんなエンジンのかけ方ある!?)と笑ってしまいましたが、好きなことをきっかけに自分を動かせるのも、「始動力」の一つ。目には見えない部分ですが、長男のなかに、自走できる形で「始動力」が育っていました。
 わが子はかなり独特な方法でしたが、「何か好きなものをきっかけに、やる気を出して動きはじめる」という引き出しを持っている子は多いのでしょう。何か課題に取り組んでいるとき、「できたこと」だけでなく、「解いている過程」も認める声かけが大切なのですが、それに加えて、「始められたこと」そのものに対する承認も、親ができる一つのサポートです。


「素材との出会い」in お風呂

 9月号のコラムで書いた【花まるの年中授業で大切にしている『素材との出会いを丁寧に演出してあげる』手法を、絵本の読み聞かせでもやってみた】件。今回も、その手法の応用です。お風呂をいやがる年少次女にお風呂での素材との出会いを仕掛けたところ、とても効果があったのでご紹介します。

1.おごそかに素材を登場させる。
2.声かけ
 ――今日は、特別に、これをお風呂に入れてみたいと思います。
 ――「水を入れるときに、どんな音がするかな?」
 ――「 浮かぶ? 沈む?」「水を半分入れたら?」「向きを変えたら?」
 ――「あ、小さな穴があるよ! ここから、こぼれないように水を入れられる?」
 ――「組み合わせて遊んでみる?(バスボムで出てきた小さなマスコットを投げ入れる遊びなど)」

 このあたりまで一緒に素材と触れ合うと、あとは、子どもが自由に想像を膨らませて遊びを発展させていきます。普段とは異なり「水」という要素が入ることで、素材がちがう魅力を見せはじめるのがおもしろいところ。
 イヤイヤ期まっさかりの子どもたちだけでなく、年長・小学1年生ぐらいの実験が好きな子どもたちにも、声かけ次第でお風呂で楽しく過ごす時間を生み出せそうです! ぜひ、家にあるもので気軽に試していただけると嬉しいです。

花まる学習会 勝谷里美


🌸著者|勝谷 里美

勝谷里美 花まる学習会の教室長を担当しながら、花まる学習会や公立小学校向けの教材開発や、書籍出版に携わる。現在は、3児の母として子育てに奮闘中。著書に『東大脳ドリルこくご伝える力編』『東大脳ドリルかんじ初級』『東大脳ドリルさんすう初級』(学研プラス)ほか

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