【花まるパパ社員のわが家の自由研究⑳】バラの自由研究⑤『簡単に想定を崩さぬよう』榊原悠司 2026年1月

【花まるパパ社員のわが家の自由研究⑳】バラの自由研究⑤『簡単に想定を崩さぬよう』榊原悠司 2026年1月

 ある土砂降りの日、授業を終えて子どもたちと外に出ると、目の前に大きな水たまりが。そこを避けて保護者の元へ行こうとすると、「あ~! よっしゃー!!」と叫び勢いよくそこに向かう一人の二年生男子。「えっ、ちょっと、まさかやらないよね!?」と止めるのはお母さん。でも「水たまりでバシャバシャやりたい!」という気持ちから、制止を振り切りバッシャーン!
 一瞬にして彼の靴も服もびしょ濡れ。「ああ~……」まわりのお母さん方から一様な声が漏れ、彼のお母さんはしかめっ面。そんなお母さんたちの様子とは裏腹に、彼は「キャハハハ」と笑って無邪気に水しぶきをあげていました。
 濡れたら風邪をひく、いますぐ着替えは用意できない、いまから車に乗るし家に着くまで時間がかかる、そしてそれに対し絶対に「早く着替えたい!」と駄々をこねるだろう等々、そういうことは大人だから考えられること。なにより、いまそれをされたら帰宅後の段取り想定が崩れます。想定して動く大人とその想定を崩してくる子ども、こういったギャップがきっと多くのお母さんを「もう、なんで!?」という気持ちにさせるのだなと改めて思います。でも、自分もこの子と変わらないな……という出来事が最近ありました。

 5日間の家族旅行を終え、お昼頃に帰宅。そのタイミングで「今夜、外出してもいい?」と妻に聞きました。興味のあった講演会がその晩にあり、前々から行こうと思っていたのですが、旅行から帰ってくる日だったので行けそうだったらそのときに妻に言おうと軽く考えていました。微妙な反応でしたが、私が子どもの入浴を済ませ夕食も作り、あとはごはんを食べて歯を磨いて寝るだけにすれば問題ないでしょ、と思い、そこまでやって家を出ました。

 すると、30分も経たないうちに妻から怒りのLINEが。「私も子どもたちも心づもりがあるから早めに言って。子どもが泣いている。前から何回も言ってるけど相談が遅すぎ」と。心づもりって何だ? そんな何回も言われていたっけ? 子どもが泣くことなんてよくあることじゃん……。それよりも、夕食も作ってお風呂にも入れて、そこまでしたのに何でそんなに怒っているのかわからなかったので、後日聞いてみました。

大人が二人いる日なのか一人だけの日なのか、あらかじめ想定して動いているんだよね。旅行から帰ってくる日は、当然大人二人の前提でしょ。疲れてぐずるであろう子ども二人を寝かしつけて洗濯、片付けを大人二人でする想定だった。その想定が急に崩れるのがいやだ。

 ああ、なるほど。でも想定が崩れることってそんなにもいやなものなのか……?

そもそもの考え方が違うからじゃない? 私は家のことが軸。あなたは家のことが主ではなく、あくまで家のことに「協力」する、子どものあれこれを「手伝っている」という考え方なんだよ、きっと。だから「そんなに?」って思うんだよ。

 あ~、確かに協力している・手伝っている、というスタンスだった。予防接種は何があるのか、定期検診はいつあるのか、保育園にどのような書類提出が必要なのか、まったくわからず。妻に言われたときに言われたように動く。病院に連れていって、この書類出してきて、など。そして最後に「これと同じことなのだと思う!」という話で理解できました。

たとえば平日の14時に私が「夜、友達と飲みに行ってくるから、保育園のお迎えから子どものお世話をお願いね」と言ったらどう?

 あ、イラっとくるな。今日ここまでやって明日はここから、というように自分が主として想定したものを他者に軽々しく崩されるのは腹が立つ! 妻は仕事のリズムが崩れないよう配慮してくれているな、といまさらながら気づきました。だからこそ、家のことも主としてやってと言わない妻の(いや、本心はそうではないかもしれませんが)想定を土壇場になって崩さぬよう自分の予定をとにかく早めに言うことを心がけます。
 (でも、「ダメ」と言われたらいやだなあと思って、ついつい先延ばしにしてしまうのです……。そしてこれを書いているまさにいま、「〇〇さんと今度飲みに行くの? 私、聞いてないんだけど」と突っ込まれてしまいました。)

花まる学習会 榊原悠司

わが家の自由研究カテゴリの最新記事