2023年度の花まるサマースクール、現場からのレポートをお届けします!
今回は、越後湯沢エリアで「川遊びの国 」のコースを引率した「オータム」のレポートです。
長いようで短かった2泊3日、最初から最後まで密度の濃い時間のなかで、子どもたちはさまざまなことを経験しました。
初日、川に向かってすぐに魚つかみに挑戦しました。手でつかんでもヌルヌルとすぐに逃げてしまう川魚に悪戦苦闘。つかまえては逃げられるを繰り返し、ついに両手で上手くつかむことができるようになった子もいました。どうしても魚が苦手だった子も、勇気を出して魚に触れることはできました。「サマースクールはただの遊びじゃない。何か一つでも挑戦して成長して帰ろう」湯沢に向かうバスのなかで言ったことを、子どもたちも意識していたようです。 いたるところで、そのような姿を見ることができました。 たとえば夕食の時間、ある子がインゲン豆を指さします。 「どうしたのかな?」と思ってよく見てみると、かわいらしく小さくかじった跡が。 苦手な食べものに挑戦したということでしょう。 それは小さな一歩だったかもしれませんが、きっとその子にとっては大きな自信になったはずです。 自信満々の笑顔がそれを物語っていました。
多くの子どもたちが夢中になった遊びに、カジカ探しがあります。 綺麗な水が流れるところに住む魚であるカジカは、川底の岩の影に隠れています。 このカジカを探すために、子どもたちは頑張りました。 最初は「カジカはどこにいるの?」と、川の上から立ったまま探していましたが、「カジカは自分が頑張らないと見つからないよ」と大人がゴーグルを着け、四つん這いになり、顔を水に浸けて探す姿を見せると、子どもたちも真似して同じ格好で探し始めます。 やがてどこかで「カジカいた!」という声が上がると、子どもたちがいっせいに集まって同じ格好で水に顔を浸けていました。 カジカはびっくりして逃げてしまいましたが…。 ほかにも、ダムづくりや綺麗な石探しなど、それぞれが夢中になれる遊びに没頭する川遊びになりました。
夜はキャンプファイヤーと花火です。 日常生活ではなかなか見ることのない高く燃え上がる炎。 そこから漏れるパチパチという音、そして離れていても伝わってくる熱を感じ、じっと見続ける子どもたち。 家族と離れ一人で参加したサマースクールで、初めて会った友達と眺める炎や花火の光に、感じることがあったのかもしれません。
2日目は、川の少し上流に場所を移しました。 初日よりも深く、水の流れる力をより感じられる場所もありました。 「うわっ!」と思ったよりも深い水に驚く声も聞こえました。 しかし、すぐにその流れを楽しみ、新しい場所でのカジカ探しやダムの建設がいたるところで始まりました。
昼休みで宿に戻っている間に、川に雨が降りました。 午後、安全を確認し川に行くと、同じ川でも流れの強さや水の流れが少し変わっていました。 わずかな時間で変わってしまう川の姿を見て、自然の力を目の当たりにできた体験でした。 安全のため遊び場を浅瀬に限定しましたが、昨日、今日で見つけた自分たちの川遊びを発展させ、最後まで楽しむ姿が見られました。
夜の探検は、雨のため室内活動に変更になりましたが、2日間の活動を振り返りながら友達やリーダーと楽しく話すことで、また関係は深まったようです。
最終日。この3日間で感じたことを自分の言葉にして作文を書きました。 「素直な言葉で書く」ことを優先しているので、少し誤字脱字はありますが「想い」はしっかりと書けています。 「あの場面ではこんなことを感じていたのだなぁ」と、子どもたちの感性に触れることができました。 ご家庭に帰られましたら、続きを聞いてみてあげてください。
振り返るとあっという間の2泊3日でしたが、子どもたちにとっては挑戦の連続だったと思います。 このサマースクールを通して経験した大小の挑戦が、階段のように積み重なって魅力的な大人になってくれることを願ってやみません。 またどこかでお会いできることを楽しみにしています。 どうもありがとうございました。
2023年 夏
花まる学習会 オータム/山崎隆
山崎隆(やまざきたかし)/オータム
花まる学習会(東京東ブロック)
🌳花まる野外体験公式サイト
https://hanamaruyagai.jp/