――知的活力や思考力は「生活」と「遊び」のなかで伸びる――
花まる学習会ではそのように提言していますが、実際にわが子を見ていても、本当にそうだよなぁ、と思います。
7歳の娘は、「雪見だいふく」で数の感覚を磨きました。初めて「雪見だいふく」を食べたのは、よくコンビニなどでも売っている2つ入りのもの(47ml×2個)。それがとても気に入り、毎回せがまれるので、(もうちょっとコスパがいいものにしよう…)と思い、「ミニ雪見だいふく」(箱入り、30ml×9個、3個で1つのパックに入っている)を選ぶようにしました。
私の想定では”1回に1つのパックをあけて、娘・息子・母で1つずつ食べる”だったのですが…娘の主張は「絶対に自分ひとりで1パック(3個)食べる」「弟も1パック食べる」「残りの1パックがあまるとケンカになるから、もう1箱買って、自分と弟がけんかしないようにしたほうがいい」といったもの。(ああ、こういう計算って早いんだな…)と嬉しいような、悲しいような…。あとは、「1人3つ雪見だいふくを食べるとしたら、うちは4人家族だから、全部でいくつ食べることになるんだろう」といった、3の倍数がかかわる問題を出すと、ささっと正解できるようになりました…!これも「雪見だいふく」のおかげです。勉強と思わず、「生活」と「遊び」の楽しい気持ちのなかで、数に触れたのがよかったのでしょう。
今回は、楽しみながら”数の感覚”を磨ける絵本を紹介したいと思います。
『かずあそび ウラパン・オコサ』谷川 晃一 作・絵(童心社)
1と2だけで数を数える二進法に楽しく触れられるもの。難しい原理はともかく、声に出しながら読むことで、家族みんなで楽しめます。
『5のすきなおひめさま』こすぎ さなえ 作/たちもと みちこ 絵(PHP研究所)
イラストと数がリンクしているので、発見も楽しめる絵本です。「5のすきなおひめさまの結婚相手はどうなる…?」とドキドキ。読んだあとに、「じゃあ、3をすきな人は誰とだったら結婚できるのかな…?」など、想像をふくらませていました。
『おまたせクッキー』パット・ハッチンス 作/乾 侑美子 訳(偕成社)
12枚のクッキーを食べようとするのですが、友達が遊びにくるたびに、自分が食べられる枚数が減っていき…、というお話です。わが家の雪見だいふくの事例を思い出し、「おやつ」と「数の感覚」って相性がいいなぁ、としみじみ思いました。
『1つぶのおこめ さんすうのむかばなし』デミ 作/さくま ゆみこ 訳(光村教育図書)
インドの昔話の絵本で、楽しみながら倍数に触れられます。幼児~低学年には、万や億の数はイメージしづらいかもしれませんが、見開きの絵のスケール感で「うっわー!めっちゃ増えた!!」という感動が味わえる楽しさがあり、おすすめです。
ちなみに、これらの絵本の読み聞かせを、姉の横で聞いていた弟。先日、5歳の誕生日を迎え、「これから、大人になるまでに、あと何回ぐらい誕生日プレゼントをもらえるんだろうねー」という話題になったとき、「んー、100回!いや、そんなに多くない。あと3回ぐらい」と言って、「いや、その間の数は!?」と突っ込まれていました。数の感覚は、子どもそれぞれ…。勉強になりすぎず、引き続き、生活と遊びのなかで、楽しみながら触れていければと思っています。
花まる学習会 勝谷里美