【今月のお悩み 小2男子のママより 】
わが子はとても神経質です。
「それくらいいいじゃん」と言えるような汚れや間違いが気になってしかたがないようで、目の前のことに手がつかないこともしばしば。
人の間違いにも敏感で、正義感があるのはいいのですが、いきすぎないか心配です。
「ほどよく」を知ってもらうには、どうしたらいいでしょうか。
あるときから汚れや間違いが急に気になってしまって、そのことで多くの時間を費やしてしまう、そういったお子さんは実はめずらしくありません。「それくらいいいじゃん」と言えるようなことでも気になってしまい、目の前のことに手がつかない。人の間違いにも敏感で、正義感が強く指摘してしまうと、心地よい対人関係にはならないのではないかと心配になることもあるでしょう。今回はそんな「神経質さ」や「強迫的なこだわり」とどう付き合うか、親としてできることを考えてみます。
時間を「やりたいこと」に使えるように
汚れや間違いが気になること自体は問題ないことが多いですが、それにとらわれすぎると、やりたいことに割く時間がなくなってしまいます。「こだわり」が強いと、一つのことに膨大な時間を使ってしまうのが問題点です。
そんなときは「汚いことが、気持ち悪いと思っちゃうんだよね。でもそのことがあって、手をずっと洗っていたり、消毒をしたりして時間をかけると、楽しいことができなくなっちゃうね」と声をかけてみてください。本人も薄々は、こんなことに時間をかけていいのかな、と思っている可能性があります。「大事にしたいことに時間を使う」という視点を持たせると、切り替えがしやすくなります。
また、「間違い」が気になって、何度も言いなおしたり、解答用紙を見返しすぎたり、親に何度も確認したりといったことが起きる場合もあります。間違いがないことを1回確認するとしばらくは脳がおさまってくれるのですが、またしばらくすると気になってしまい、また確認するといったことが起こります。そのときは「脳が誤作動を起こして、あなたを心配にさせているのかもしれない。1回確認したら、そのあとは確認しないようにするって決めよう」といった声かけが有効です。何度も確認すると時間がかかりすぎてしまうので、「確認は1回まで」と親が決めてしまうのです。
「ほどよく」は声かけで身につけられる
神経質な子に「ほどよく」を教えたい場合、忘れ物をしたり、ミスをしたりしたときに、「ほどほどがいいよね」「人間だから間違うこともあるよね」「間違えちゃったと明るく言えば大丈夫だよ」と、「ほどほどさ」「おおらかさ」を身につけさせるような声かけをすることも大事です。親が、間違えても気にしていなかったり、うまく流せていたり、うまくリカバリーしたりしているところを見せるというのもひとつのテクニックです。
嫌悪感を受け入れつつ、振りまわされない
嫌悪感をなくす必要はありません。大人でも「この人はちょっと苦手だな」と感じて、距離をとることでうまくいくことがありますよね。子どもの場合でも、距離が近すぎる大人などを見抜くのに、嫌悪感は役立ちます。その感覚は大切にしつつ、楽しいことや大事なことに時間を使えるようにサポートしましょう。
蟹江 絢子(かにえ あやこ)
東京の大学病院にて児童精神科医として臨床に携わる傍ら、妊産婦やアスリート、神経発達症、精神疾患を対象とした認知行動療法の研究を行う。VRやアプリを活用した認知行動療法のプロダクト開発にも取り組み、精神医学・心理学の啓蒙活動を一般の方や教育業界向けに展開。二児の母としての経験も活かし、親としての目線で日々の生活や子育てに役立つ情報を発信中。
※花まるだより2026年1月号掲載