2024年度の花まるサマースクール、現場からのレポートをお届けします!
今回は、「サムライの国」のコースを引率した「タイガー」のレポートです。
子どもたちにこの3日間での目標を聞いてみると「5人倒す!」「去年のリベンジ! 絶対に勝つ!」「たくさん倒したい!」などの声が聞こえてきました。
たくさんの前向きな目標を胸に挑んだ初日のアイテム戦。他軍にはさまれる展開が続き、なかなか勝つことができませんでした。結果的に各軍の獲得したアイテムカード数が8枚・4枚・1枚で、忠ェ門軍は1枚という結果になりました。忠ェ門軍は大器晩成型。気持ちを落とさず、2日目の天下統一戦で力を発揮するためにできることをみんなで考えました。
そして迎えた天下統一戦。初日に獲得したアイテムをすべて使う1戦目は、相手に大量にポイントを獲得されないための「守りの戦い」でした。全員で心を一つにし、10分間絶対に大将を守りきると決めました。見事守りきり、2戦目以降は攻撃にも踏み出します。しかし相手の大将も歴戦の猛者です。なかなか相手の守りを崩すことができず、ポイントを取りに行っても取りきれません。膠着状態が続いて迎えた最後の4戦目。どこか1軍でも倒すことができれば天下統一というところまでやってきました。大きな壁となる相手軍の大人に全員で立ち向かって倒し、子どもも少しずつ倒し、大将の目の前までたどり着きます。
「残り2分!」
攻めきれるか。全員が仲間を信じて相手軍の大将へと進み続けます。上手くかわす大将。命である紙風船に刀をあてることがなかなかできません。時間が少しずつ過ぎていきますまわりの音が聞こえなくなるぐらいに集中して攻め続けました。どれくらいの時間が経ったのかわからないまま、無我夢中に攻め続けました。
「ピッピッピー」
合戦終了の笛が鳴り響き渡りました。あと一歩のところで、大将を撃ち落とせずに終わってしまいました。結果は、トップまで1ポイント差。とても悔しい結果となりました。
それでも子どもたちは誰一人下を向いていませんでした。最後まで全力で戦った。「これだけ本気でやれたんだ」と言わんばかりの自信に満ちあふれた表情でした。
勝負の世界は勝者がいれば、敗者もいる。いまもっている悔しい気持ちを今後もずっと大切にしてほしい。次に活かしてほしい。そんなことを伝えると、ある子から「相手がいなかったら、こんなに本気で戦えなかったよね」という言葉が出ました。その通りです。本気で戦ってくれる相手がいるから、自分たちも本気で戦うことができ、貴重な経験ができました。
大人が最後まで言わなくとも、子どもたちにつかんでもらいたい気持ちはすでに届いていました。貴重な戦い、貴重な体験でした。この宝物を、子どもたちは大切に持ち帰っていることでしょう。最終日に書いた作文にも、想いを込めている子がたくさんいました。
元気いっぱい、走り抜いた3日間でした。また、サマースクールや雪国スクールで会える日を楽しみにしています。
改めまして、サマースクールへのご参加、誠にありがとうございました。
2024年 夏
花まる学習会 タイガー/山口大河
山口大河(やまぐちたいが)/タイガー
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