2024年度の花まるサマースクール、現場からのレポートをお届けします!
今回は、紀北町エリアで「川遊びの国 」のコースを引率した 「プーさん」のレポートです。
■1日目
宿に向かうバス内では、子どもたちから前向きな言葉が次々に聞こえてきたのが印象的でした。「みんなで楽しむぞ!」と声が上がると「おー!」と呼応し、「それ、ナイス!」「みんなで仲良く過ごそう」などと声をかけ合い、それぞれが2泊3日どのように過ごしたいかを発信しながら心の距離を縮めていきました。
宿に到着すると、待ちに待った川遊びへ。「ここで飛び込みはできる?」「網を使っていい?」と思いついた遊びを実現するために、さまざまな質問やアイデアが言葉になって表れます。肉眼でも見えるくらいたくさんいる魚を捕まえたり、リーダーと水かけ合戦をしたり、石積みをしたり…あっという間の時間でした。思うようにいかないことがあっても不満を言うのではなく、楽しむにはどうしたらいいか、何ができるかを考え続けていました。
■2日目
2日目は、午前も午後も川遊び。子どもたちはどんな川遊びをしたいかイメージして心を躍らせながら川へ向かいました。午前中は飛び込みに挑戦。怖さより楽しみな気持ちが勝っていて、「自分はこういうポーズで飛びたい」とポーズを決めて大ジャンプ! 同時に、仲間のことも気にしていました。「大丈夫、大丈夫! 怖くないよ」「がんばれ、がんばれ!」と寄り添いと励ます子や、岩場に上るときに手を差し伸べてあげる子もいました。
午後は自由遊び。自分の「したい」にとことん向き合いました。魚をたくさん捕まえました。魚以外の生き物も発見しました。気持ちよく泳ぎました。魚を捕まえるための仕掛けも作りました。
存分に遊んだあとは、2日間の思い出を振り返りました。班ごとに2枚の紙に思い出をまとめます。自分の思いに固執するのではなく、「こうするのはどう?」と提案したり、みんなが納得できるような方法を見つけたりと「仲間も自分も大事にする心」が見てとれました。 気づけば自然と輪ができ、子どもたちの頭がくっつきます。短い時間でまとめ上げ、かつその発表を聞いている人の心に届いたのは、間違いなく「チームワーク」があったからです。
■3日目
起床し着替えを済ませたら、布団を畳んで、帰りの準備をしました。「これ、誰の?」と落としものを見つけてみんなに声をかけたり、一人だと時間がかかるものを「手伝うよ」と一緒にやったり、最後の日も素敵なチームワークが見られました。
作文書きと表彰式を経て2泊3日を振り返ると「もっといたかったな~」という気持ちがこみ上げてきたようでした。「3泊4日のコースはないの?」「あと1日川遊びをしたかったな~」そんな言葉が聞こえてきました。
子どもたちには行きのバス内で「『どんな人になりたいか』を自分に問いかける2泊3日にしよう」と伝えていました。忘れ物をして宿に取りに帰ったときには、「大丈夫! みんなでがんばろう」という声が聞こえました。魚を思うように捕まえられないときは、「網がないから無理だよ…」「動きが速いからできないよ」などの言葉は聞こえず、捕まえるためにはどうしたらいいかを考え、諦めずチャレンジする姿がありました。自分のやりたいにとことん向き合って思いっきり楽しむ姿がありました。そして言葉や行動で仲間を励ます姿もありました。自分の人生を彩るのは自分自身。大切にしてほしいのは、「したほうがいいこと」「すべきこと」よりも「自分はどうしたいか」「どんな人になりたいか」です。この2泊3日を過ごした子どもたちが夢や目標をもち、自分の心を見て選択していくことで人生が鮮やかに彩られることを願っております。
2024年 夏
花まる学習会 プーさん/坂口徹
坂口徹(さかぐちとおる)/プーさん
花まる学習会(中京ブロック)
🌳花まる野外体験公式サイト
https://hanamaruyagai.jp/