少食・偏食の子がもりもり食べる!子どもが食べやすくなる食事の工夫とは?

少食・偏食の子がもりもり食べる!子どもが食べやすくなる食事の工夫とは?

苦手な食べ物がある、まったく食べない、少ししか食べない……
子どもの食事について、お母さんの困りごとは様々あると思います。
毎日の食事を「楽しい!」「おいしい!」「もっと食べたい!」につなげるには、“原因”を見つけて対策を考えることが大切です。

まずは子どもの「食事の様子」を観察しましょう!

お休みの日など時間があるときに、子どもの食事の様子を観察しましょう。
お母さんも一緒に食事をしながらでOKです。
まずは次のポイントを確認してみてください。

【改善すると食べやすくなるポイント】

  • 食卓の周囲に気が散るものがある(おもちゃが出ている、テレビがついている)
  • 食器や食具(スプーン、フォーク、はし)を使いづらそうにしている
  • いす、テーブルのサイズが合っていない、姿勢が悪い
  • 一緒に食べる人がいない
  • 食卓につくとき、お腹が空いていない
  • 好きなものから食べている
  • 盛り付け量が多すぎる
  • 食材のサイズが大きすぎる(子どもが口に入れにくそうにしている)

【理由や状態を確認したいポイント】

  • 苦手な食べ物がある場合は、なぜ嫌なのか(理由が言える年齢であれば本人に聞いてみましょう)
  • だしや素材のおいしさを知っているか
  • やみつきになってしまう濃い味や油っこい食品をどれだけ知っているか

年齢別|子どもの少食・偏食の原因と改善方法

【0~2歳】

初めて食べる食材が多く、食べ物見知りをする場合が多い年齢です。
また歯の発達や消化機能が未熟なため、食材はスプーンに乗るサイズに切る、とろみをつける、軟らかめに煮る等の調理の工夫が必要です。

味付けは濃い味にせず、素材の味を大切にしましょう。
お母さんお父さんがおいしく食事を食べる様子を見て、“食べることは楽しくて心地よいこと”と子どもが感じることが大切です。

【3歳以上】

食の好みが出る年齢です。
その時に応じた食材の大きさや調理方法の配慮(例えばピーマンやしいたけはみじん切りにし、カレーやハンバーグに入れるなど)に加えて、環境や習慣も見直すといいでしょう。
次のような工夫がおすすめです。

●食事環境を変える

普段と違った食事環境にしてみると、気持ちや見え方が変わって苦手なものへのハードルが下がることがあります。
ピクニックなど、野外で食事をすることも一つの方法です。
もっと手軽に、ご家庭でレジャーシートを広げ、水筒やおしぼりを用意しピクニック気分で家族での食事を楽しむこともおすすめです。

●おやつを見直す

食事量が少ない場合、濃い味や油っこいお菓子の味や量に親しみすぎているかもしれません。
3歳位になると、市販のお菓子を食べる機会も増えてくるでしょう。
おやつの時間にお菓子をたくさん食べると通常の食事にも影響します。

「お菓子」と「おやつ」は異なります。

お菓子は心を満たすものではありますが、栄養を満たすものではありません。

おやつは3度の食事の間に不足する栄養を補うものです。

午後3時など毎日決まった時間にし、食事前には食べさせないというルールを決めると良いでしょう。
栄養面を考えると、おすすめのおやつは果物、おにぎり、焼き芋、ミニお好み焼き、乳製品などです。

おやつの時間や内容のよい習慣がつくと、お菓子でお腹を満たすのではなく、きちんと食べられる子に育ちます。
おやつは楽しい時間ですが、量などに気をつけましょう。

●お母さんも一緒に食べる

できればお母さんも子どもと食事の時間を合わせて一緒に食べましょう。
お母さんと一緒に会話をしながら食事をすると、食事の時間が楽しくなります。

また、一緒に食事をしているお母さんの姿は子どもの見本となり、子どもが食べ方を学ぶこともできます。

食べて欲しいあまりにかまいすぎたり自分(親)は食べず、じっと子どもの様子を伺ったりすると、子どもが落ち着かず食事を楽しめなくなってしまいます。
ぜひ、お子さまを褒めたり励ましたりしながら食事をしてください。

●食べる順番と食事にかかる時間を見直す

食べる順番は
①苦手なものは早めに食べる
②好きなものは後で食べるか苦手なものと一緒に食べる
③お茶は食後
がおすすめです。
苦手なものを少しでも食べることができたらその場で褒めましょう。

最初は苦手な食材を小さく切って少なめに盛り付け、食べられるようになったら盛り付け量を増やしていくといいでしょう。
食事の途中でお茶を沢山飲むとそれだけでお腹がいっぱいになってしまうので、パサパサしたり口が乾いたりした場合は汁物を飲むように教えましょう。

三角食べ(例えばおかず→ご飯→汁物のように食事全体を順番に食べる)ができれば“こればかり食べてこれは残る”という偏りがなくなるでしょう。

食事の時間は30分以内が目安です。

●年間の行事食や旬の食材を家庭の食事に取り入れる

子どもと一緒に行事食を準備すると、その行事に関する食材やその時期の旬食材、行事自体への関心が高まり、食に興味を持つきっかけとなります。
この準備は子どもが興味を持ったことやできそうなことでOK。
全てではなく部分的に行う場合は、最後に完成に近い部分も挑戦させてあげると、達成感がありおすすめです。
手作りでなくても、まずは“行事食を食べてみる”ことから始めましょう。

<行事食の例>

1月 おせち料理、お雑煮、七草がゆ

2月 恵方巻、手巻き寿司、豆、いわし

3月 ちらしずし、お吸い物

4月 桜餅、三食団子、草団子

5月 柏餅、ちまき

7月 七夕そうめん

9月 おはぎ(お彼岸)、月見団子

12月 南瓜の煮物・柚子(冬至)、年越しそば 

成長曲線の範囲内であれば大丈夫

食事に関する困りごとは様々あると思いますが、母子手帳にある成長曲線の範囲内であり、成長曲線に沿って成長していれば心配しすぎなくて大丈夫です。

食事内容や方法に変化があると挑戦意欲が湧きやすいので、今回ご紹介した中でできそうな内容から試してみてください。

少しでも食べることができたときに認め、自信に変えていくことで、食事内容や量をよりよくしていきましょう。


著者|臼杵 智美

臼杵 智美 管理栄養士として離乳食・幼児食・アレルギー食の調理、子どもに向けたクッキング等食育活動(0~5歳)、献立作成の経験あり。事業所内保育所、小学生・中学生夏季施設、社員食堂、レストランでの勤務経験をもつ。食べることが好きで、食べ物と体の関係について興味があり管理栄養士となる。自身も子育てをしている今、子どもの頃からの食習慣は大切と痛感。

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