【花まるコラム】『ぬくもりのあるノート』勝谷里美

【花まるコラム】『ぬくもりのあるノート』勝谷里美

 小学5・6年生のときの先生が、毎日、2冊のノートの宿題を出してくれていました。
1つは「日記ノート」。分量などは決まっておらず、好きなことを好きなだけ書いていく形式でした。もう1つは「自主学習ノート」。これも「何をする」という指定はなく、1日1ページ、自分が好きな学習をする、というもの。この2冊の宿題ノートが私はとても好きで、小学校のときの学習というと、このノートにまつわるエピソードがたくさん思い出されて懐かしい気持ちになります。

 日記ノート。どんなことを書いたとしても先生が一言コメントをくれていました。毎日、30人近くのノートにコメントを書いていた先生…。大変だったと思いますが、たった一言でも自分のためのメッセージが嬉しくて、毎日先生のコメントを見るのが楽しみでした。

 自主学習ノート。今日は何をしようかなと迷っていたときに、父が「都道府県を覚えたら」と、蛍光マーカーで、日本地図をさささっと書いてくれたことがありました。子ども心に「すごい!」と思ったのでしょう。空いているところに県名を書き写しながら、手作りの地図がとても嬉しかったのを覚えています。それ以降、日本の地理を学習するときには父のこの蛍光マーカーの日本地図が頭に浮かび、都道府県の名前と場所は、割と苦にすることなく覚えることができました。

 いま思うと、どちらも“ぬくもり”が嬉しさの根底にありました。「私だけのために」書いてくれたものというのは、大人になったいまでも、嬉しいものだなー、と感じます。

 さて、「花まる漢字テスト」が近づいてきました。毎年、ご家庭で「こんなふうにノートを作って練習しています!」など、素敵な取り組みをお聞きしています。漢字は「泣いてもわめいてもやらせるもの」として、コツコツ鍛錬を積み上げる学習の分野。最初が肝心です。そこに、家族で一丸となって取り組んでくださっていること、時間を割いてくださっていることには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
 一方で、私自身が小学生の親になってみて、漢字学習で「毎日、親が手作り漢字問題のノートを作るのはしんどいかも…」と、正直思う部分もあります。そういうときは、市販のドリルを使って、チェックのときに励ましのコメントだけは手書きする。休日に余裕があるときは手作りのテストを出すなど、一部分でも“ぬくもり”のあるものにしよう、というところだけは意識しています。

 漢字練習をせっかくやるならば、家族で楽しめる方法を探してみるのもおすすめです。あるご家庭で、お姉ちゃんがお母さんの手作りノートで漢字練習をしていたら年中の弟も「ぼくにも問題出してー!」とせがんできたそうです。それを見たお姉ちゃんが「じゃあ、わたしが作る!」と、こんな問題を作ったそうです。「たぬきがいない!どれ!?」と、難問になってしまったようですが…、ようやくひらがなが読めるようになった弟のレベルを考えて作ったのが伝わってきます。親から姉へ、姉から弟へ、ぬくもりのあるノートが伝わっていくことをほほえましく感じました。

 

 漢字練習の仕方にお悩みの方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。そのご家庭ごとに、取り組みやすい方法が見つかるよう、サポートさせていただければ幸いです。

花まる学習会 勝谷里美(2021年)


*・*・*花まる教室長コラム*・*・*

それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。

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