【花まるコラム】『ブドウはお互いを見ながら熟す』古川凜

【花まるコラム】『ブドウはお互いを見ながら熟す』古川凜

 「なんか最近、考えること・言おうとしていることが似ているよね!」
先日、よく連絡を取っている友人Aさんに言われたことです。私は言われるまでまったく気づかず…。言われて考えてみたら、影響を受けているかもと思うことがありました。

 Aさんは会った日の夜、電話をしたあとなど「今日はありがとう。○○の話ができて本当に楽しかったし、…」というように、その日の嬉しかったことや楽しかったことを連絡してくれます。その連絡が来ると「Aさんはこんなことを思ってくれていたんだ、嬉しいな…」と毎回幸せな気持ちになり、Aさんにも幸せな気持ちになってほしいという想いで返信をします。「こういうメッセージを受け取ったら嬉しいな」と思ったことをきっかけに、Aさんにだけではなく、ほかの友人にも連絡をしてみました。いままで私は感謝を伝えるような連絡をしたことはなく、送られてきた友人たちは「どうしたの?」と困惑していましたが、いまではそれが当たり前のことになり、お互いにメッセージを送りあっています。

 このように人から影響を受けることはたくさんあると思います。教室や野外体験で子どもたちを見ていて、影響を受けているなと感じることがあります。たとえば、教室で 思考力教材 「なそぺー」に取り組む時間。「今日の問題、おもしろそう!」とTくんが言っているのを聞いて、さっきまで「もう飽きた…」なんて言っていったRくんが「何それ、ぼくもやってみたい!」と乗り気になり、手を動かし始めました。野外体験で「川遊びはもういいかな…」と心が折れかけていたKちゃん。そのKちゃんの目線の先には、全力で水をかけあっているSちゃんとHちゃんの姿がありました。「どうする?休憩しようか?」と声をかけると、「ううん!一緒に遊んでくる!」と完全復活して一緒に遊び始めました。

 題名にも書いた「ブドウはお互いを見ながら熟す」というのはトルコのことわざで、“次第に仲間同士で似るようになり、まわりの人たちから学びながら成長していく”という意味だそうです。お互い影響を受けていくなかで学び、自分の成長につながっていく。かかわる人が多ければ多いほど、成長のチャンスがあるのだと思いました。

 花まるでは、異なる幼稚園・学校に通っている子との出会いや異学年の子との出会い、住む地域が違う子との出会いなど、たくさんの出会いがあります。それぞれの出会いが子どもたちにとっての成長につながるよう、子ども同士が交流できる場をたくさん設けて、お互いにいい影響を受けられるような教室にしていきます。

花まる学習会  古川凜(2022年)


*・*・*花まる教室長コラム*・*・*

それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。

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