おめでとう!
この黄金切符を
みごとに手に入れたきみに、
ウィリー・ワンカからのごあいさつです。
心をこめて握手!
すてきなかずかずが、
きみを待っています!
たくさんの不思議な驚きが、
きみを待っています!
このたび、きみを私の工場へ招待し、
まる一日、
お客さまになってもらうのです―
(ロアルド・ダール作/柳瀬尚紀訳『チョコレート工場の秘密』評論社より)
『マチルダはちいさな大天才』や『魔女がいっぱい』など、世界中の子どもたちに大人気の数々の物語をつくった作家、ロアルド・ダール(1916~1990)。映画『007は二度死ぬ』『チキ・チキ・バン・バン』の脚本家としても知られ、第二次大戦中は空軍パイロットとしても活躍するなど、多彩な経歴の持ち主です(スタジオジブリの宮崎駿さんも、ロアルド・ダールの大ファンであるとのこと)。
そんなダールの作品のなかでもとりわけ人気が高いのは、ティム・バートン監督によって2005年に映画化もされた、『チョコレート工場の秘密』です(映画タイトル:『チャーリーとチョコレート工場』)。
主人公は、チョコレートが大好きなのに、家が貧しくて年に一度の誕生日にしか買うことができない少年チャーリー。そんな彼が住む街には、ウィリー・ワンカ氏の「世界一のチョコレート工場」があり、チャーリーは幸運にも黄金切符が当たって工場の見学に行けることに。しかしチョコレート工場のなかに広がっていたのは、ワンカ氏がつくり上げた奇想天外な世界でした……。
工場のなかで起こる不思議でおもしろく、ちょっと怖い出来事に加え、「やり過ぎでしょ!?」と思わず突っこみたくなるような、ワンカ氏が「問題児」たちに下す数々の罰―。ダール特有のブラックユーモアが満載で、でも心躍る物語体験ができること間違いなしの作品。ぜひ原作小説にも触れて、新たな魅力を感じ取ってください。
また、2月14日のバレンタインデーに向けて、物語に出てくる「とろりめちゃうまめろめろファッジ」「ワンカの大珍味びっくりチョコ」「食べられるマシュマロの枕」などのお菓子を、自分でイメージして再現してみるのもおすすめ。ダール作品のような自由な発想で、見る人、食べる人をあっと驚かせるような遊び心満載のお菓子をつくってみてはいかがでしょうか。
平沼 純
【レシピ】 マンディアン風板チョコ
・チョコレート 150g
(ミルク、ホワイト、ビターなど好みのものでOK)
・好みのナッツとドライフルーツ 約80g
(今回は、アーモンド、ピスタチオ、パンプキンシード、レーズン、ドライマンゴーを使用)
①チョコレートを包丁で刻み、ボールに入れる。湯煎にかけ、弱火でじっくりチョコレートを溶かす。
②8×18㎝程度のバットやボックスにオーブンシートを敷き込み、①のチョコレートを流し入れる。容器ごと約10㎝の高さから2~3回落として平らにならす。
③好みのナッツやドライフルーツをまんべんなく散らし、もう一度10㎝程度の高さから落として全体をならす。
④冷蔵庫に入れて冷やし固め、食べやすい大きさに割るか包丁でカットする。
【レシピ・写真提供】
料理家 江口 恵子(natural food cooking)