例年、残暑厳しいこの時期、「夏の名残り」と言うにはその存在感が大きいのですが、暦の上ではすでに秋です。
暑い暑いと、冷たい飲みものやさっぱりしたものを体は欲しているようで、実はしっかり秋、そして冬へ向けて準備を始めています。
氷がたっぷり入った冷たい飲み物、アイスクリームやかき氷、冷やした果物などを食べたときに喉に違和感を覚えたり、喉がキュッと閉じるような感覚があったりしたら、それは体からの「体の中が冷えています」のサインです。暑い時期は体内の熱を取り除いてくれる素材や冷たいものを多少は食べて、涼を取って夏を乗り切ることも必要ですが、秋口からは体を温める方向へシフトチェンジしていきましょう。これは、四季がある日本ならではの体調管理の方法だと思います。
とはいえ、まだまだ熱々の料理を食べる気にもならないと思うので、まずは冷たい飲み物をやめる、氷は入れない、麺類なども冷やし麺ではなく温かい、または常温で食べられるものにするといいですね。
食べる側もですが、作る側もまだまだ長時間、火を使って料理するのはちょっとしんどい。そんなときは旬のものに目を向けるのもおすすめです。秋の味覚といえば、芋、栗、南京…。お芋とかぼちゃは、ただふかしただけでもほくほくしておいしいものです。
素材の味を存分に楽しみながら、冬を迎える準備を少しずつ整えていきましょう。
★食のプロからのアドバイス★
おうちでチャレンジ!
じゃがバター
ジャガイモ
バター
塩 各適量
蒸したジャガイモに塩とバターを乗せただけの「じゃがバター」は、素材の味をダイレクトに楽しめる究極のシンプルメニューですが、子どもにとっては大好きなおやつです。ジャガイモだけではなく、サツマイモやかぼちゃも、蒸して、塩とバターだけで食べるおいしさは、ある意味贅沢かもしれません。
料理というにはあまりにもシンプルですが、体にもよくて味覚もしっかり育ちますので、ぜひお試しを!
フードスタイリスト・料理家。心も体も健やかな気持ちのいい暮らしは、日々のごはんからはじまる。そんな想いから、おいしさと作りやすさを追求したレシピで料理教室のレッスンを行っている。雑誌やWEB、広告でのレシピ提案やスタイリング、企業やメーカーのレシピ開発などにも携わる。著書に『作って伝える郷土ほっこりおやつ』(赤ちゃんとママ社)『子どもと一緒に季節の食しごと』(マイナビ出版)ほか。