【教室スケッチ】「間違えてもいい?」/思考力のページから

【教室スケッチ】「間違えてもいい?」/思考力のページから

年長の男の子Sくん。
4月の入会当初はこんな発言が多かった。
「おもしろくない…!」
「どうしてやらないといけないの?」
「やりたくな~い」などなど。

しかし今日の授業で、ふと気づいたが、最近はSくんからそのようなマイナス発言が出なくなっていた。
授業前の準備が早く終わった子への特別課題で、アイキューブタワーづくりを出したときのこと。
「この手が離れたら最高記録の19段。しかしどうしてもバランスがうまくとれず、必死に手を使って支えている」という状況で一生懸命、試行錯誤する姿があった。

ふと最近のSくんの変化に気づいたのが、本日の思考実験のページでSくんから
「間違えてもいい?」という言葉が出てきたからだ。
子どもたちからあまり上記のような言葉が出てくることを聞いたことがないが、
入会当初のSくんの状況や言葉と重ね合わせ、「正解を出すこと=マル」という認識になってしまっていたのかもしれないと感じた。

Sくんの中では、「できないかもしれない」と感じたとき、不安になったときに、そんな自分を少しでも守ることができるように、傷つかないように上記のような言葉で必死に守ってきていたのかもしれない。

しかし、「間違い」というものはなく、花まるで考えている過程で講師からもたくさん認める声をかけてもらいおそらく自分を守る必要はなくなったのだろう。
「間違てもいい?」という発言から、今までのSくんの様子が重なり、何だか納得がいった。

「できた」ことは一緒に喜ぶ。
そして「できた、できない」に関係なく、取り組みに一緒にワクワクしながら進めていく。
「学習」に入る前段階として、いかに上記が大切な過程か、改めて学ぶことができた。

~教室レポートより~

by Eri Kashimoto

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