年長クラスの思考実験、折って切って開く。
折り紙の中心を確認してから切った形が、ほかの子と違ったSちゃん。
(中心を確認したが、持ち替えてしまったことが原因。)
目に涙をいっぱいに浮かべて「失敗した」と言った。
確かに思考実験通りにはできていないが、
それを「失敗」とは私は思わない。
こんなとき、つい「また次挑戦すれば、できるようになるよ!」と声をかけそうになる。
その言葉は、しょげているSちゃんを想って励ましたいという思いがあっての言葉に違いはない。
しかし、最近違和感を覚えるようになった。
まるで「いま失敗したけれど、次やればできる」と言っているのと同じ気がした。
「失敗」が前提にある励ましの言葉は、私だったら欲しくない。
大切なのは、できた形を認めること。
大人が作品を見てどう感じたかを伝えること。
できた形は、世界で唯一のSちゃんの表現であるのだから。
~教室レポートより~
by Ryoko Tanaka