教育哲学

【花まる教室長コラム】『何度でも変えられる大人に』2020年2月

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小学生クラスでHIT(花まる脳力テスト)を行いました。
初めて受けた子も、もう数回経験している子も、それぞれ言葉にならない葛藤と不安があったことでしょう。
特に花まる漢字テストは、自分のがんばりの量と質が、ありのままに映し出されます。
がんばったつもりでも、足りない部分があったり、「そこだったか…!」と思う出題があったり。
結果が出るものだからこそ、一つの通過点として、自分の状況をはっきりと自覚する機会にもなり得ます。

3年生のCちゃんのお母様が、HITを返却したその日の夜に、早速Cちゃんの様子を教えてくださいました。

それまで、お母様と一緒に花まる漢字テストの準備をしてきたCちゃん。
新しい漢字を1ページ練習したら、お母さんが作った問題やプリントに取り組むということを続け、確実に力をつけてきました。
毎回しっかり合格し、そのうち何回かは特待合格もしていました。
コツコツ取り組む習慣とともに、「漢字は得意!」という自信をつけてきたのです。

そして今回、Cちゃんの希望で「最後まで自分でやってみる」ことになったと、少し前にお母様から聞いていました。
1年生の妹が入会し、Cちゃんとしても「お姉ちゃんとしてがんばらなきゃ」という気持ちもあったのでしょう。
毎週毎週、お母さんと一緒にやっていたときと同じように漢字練習に取り組んだノートを提出し、一生懸命がんばっていることを私も知っていました。

迎えたHITの日。
問題用紙を前に、緊張した面持ちのCちゃん。
その表情は、今までのCちゃんにはあまり見られなかったものでした。
鉛筆を持つ手にも、いつもより力が入っているようでした。

HIT返却の日。
Cちゃんの結果は、惜しくも合格に届かず…。
しかし、漢字テストを受け取ったときのCちゃんは意外にも冷静で、「うんうん」と小さくうなずきながら自分の席へ戻っていきました。

この日は、お母様のお仕事の都合で、お祖母様の送迎。
妹と3人で帰路につきました。
お母様から聞いたのは、そのあとの様子です。

何事もなかったようにお祖母様と合流して何事もなく家まで帰ったそうですが、帰宅するなり部屋に閉じこもってしまったそうです。
お母様が帰って部屋に様子を見に行くと、その姿をみて号泣。
「漢字テストの結果が合格ではなかったことのショックを、そこでようやく出せたのかもしれません」とお母様はおっしゃっていました。

Cちゃんは、自分の力で最後までがんばっていました。
その日の号泣は、彼女なりに結果を受け止めたからなのでしょう。
お祖母ちゃんには言えなかった。
妹の前では、泣けなかった。
けれども…。
これまで一緒にがんばってきたお母様には、今回のがんばりを見ていてくれたお母様には、Cちゃんの心のまんなかを見せられたのだと思います。
Cちゃんは、きっと次の漢字テストで合格するでしょう。
すぐ次の日から「早速練習を始めました」とお母様からご連絡をいただきました。

自分で決めて、自分でやってみたこと。
Cちゃんのこの経験は、自分で挑戦したからこそのものでした。
誰かに指示されたものでもなく、自分自身が「やる」と決めたことで、結果も彼女の心にまっすぐ届いたのだと思います。
翌週、「終わったあとが大事だよ」という私の言葉に、Cちゃんは力強くうなずいていました。

たくさんの〝うまくいかないこと〟を経験して、とことん試行錯誤して。
〝うまくいかないこと〟にたくさんの時間をかけられる今だからこそ、多くのことを感じて、考えるチャンスがあります。
そのチャンスを前向きにとらえ、そして何度でも「自分を変えていける」大人になってほしいと思います。

全力で前向きに進み続ける子どもたち。
日々尊い時間を過ごす彼らが、存分にその力を高められるよう、私たちもそばで見守り続けます。

花まる学習会 久慈 菜津紀

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