【花まるサマースクール2025】スティック/小林駿平🌻サムライの国

【花まるサマースクール2025】スティック/小林駿平🌻サムライの国

2025年度の花まるサマースクール、現場からのレポートをお届けします!
今回は、「サムライの国」のコースを引率した「スティック」のレポートです。

 

⚔サムライの国⚔(コテージ軍)

サマースクールに向けてのご準備、そして子どもたちの背中を押して送り出してくださったこと、本当にありがとうございました。この3日間を過ごすことができたのは、そこに至るまでのみなさまのお子さまを想う気持ち、ご準備があったからこそだと思います。


サムライ合戦、花火に魚つかみ、そして川遊び。どのプログラムも全力で楽しみきった子どもたち。自然と仲間との距離も縮まり、気づけばこれからもずっとみんなの支えとなる絆が生まれたのではないかと思います。  


行きのバスので感じたことは、一人ひとりが「意志」を強く持っていること、リーダーの話を1回で聞けること、行動がてきぱきしていること。自分のことは自分で、困っている人がいたらサポートする、それを当たり前ととらえられる子がたくさんいるように感じました。


そうした良い雰囲気は、あっという間に全体に広がっていきます。気づけば、子どもたちが同じ天下統一という目標をもって突き進む「軍」になっていたように感じます。    


この3日間、常に子どもたちと「共通言語」として持っていたものがあります。


一つ目は、何事も全力で取り組むこと。どんなことも手を抜いて行った先に得られるものはありません。サムライに限らず、目の前のことに全力で誠心誠意向き合うこと。


二つ目は、気持ちで絶対に負けないこと。誰しも「恐怖心」は持っているもの。自分より強そう、自分より大きい、自分より学年が上。そんな相手に向かっていくのは勇気がいることです。それでも、その恐怖心とまずは向き合い、そして乗り越えることもまた子どもたちが成長していくうえで欠かせないものです。


三つ目は、言葉を大事にするということ。言葉は心に残ります。だからこそ、前向きな言葉、プラスな言葉を大事にしたいということを伝えました。戦う相手は敵ではなく、ライバル。


4つ目は、仲間を想った行動をすること。一人でサムライ合戦はできません。仲間と一緒に、誰かのためにがんばる経験を積んでほしい、そんなメッセージを伝えました。    


1日目の合戦は、2日目に行う天下統一戦に向けたアイテム獲得戦。ここでアイテムをいかに多く獲得できるかが、明日の天下統一戦を優位に進めるうえで重要です。 コテージ軍は、攻撃隊と守備隊が見事に「役割」を果たしました。驚いたのは、仲間同士の連携です。お互い声を掛け合いながら、守備隊は「隙間がないように! 相手が来るよ!」攻撃隊は「一歩前へ!」「大将を目指す!」「気持ちで負けない」を合言葉に果敢に戦いました。結果、全軍最多となる7枚のアイテムカードを獲得し、1日目の合戦を終えました。  


「おれたちが強いのは、きっとみんなで協力しているからだよ」 「なんだか自信がついた!たくさん倒せた!」「目標を自分で決めていたんだ。相手の風船は割れなくても、風船を触ることはできるかも。まずそこからがんばる」 興奮気味に話す子どもたち。その目は確かに、最初より輝いていました。   


恐怖に打ち勝つ、自分で決める、仲間を信じる、仲間を支える。 サムライ合戦にはさまざまな「学び」が詰まっています。  


2日目の午前にはいよいよ「天下統一戦」をおこないました。仲間との連携を武器に果敢に相手に攻めていくコテージ軍でしたが、相手も本気、そううまくもいきません。1戦目でこそ1ポイントを獲得しましたが、その後の試合では相手の猛攻に屈し、早々に敗れてしまいます。2戦を残し、あっという間に最下位に。しかし、ここからが子どもたちの「心の強さ」を感じる時間となりました。「スティックは悪くないよ! 俺たちの守備が甘かった! ごめん」「なんだかおもしろくなってきた」「まだ終わっていないよ」「動きは悪くなかったじゃん」子どもたちの口から出るのは前向きな言葉ばかり。諦めることなくもう一度立ち上がろうとする姿勢が見られました。  


迎えた最終戦。もうあとがないコテージ。勝つためにはどこよりも早く相手の大将の風船を割らなければいけません。「パン!」遠くで風船を割る音が聞こえました。「……どこの軍が割ったんだ?」注目が集まるなか、審判の声が合戦場に響き渡ります。割ったのは、「タシロ軍」でした。この瞬間、コテージ軍の天下統一の夢は途絶えました。下を向くかと思いきや、「まだ終わっていないよ! タシロの風船を割ろうよ!」と力強い言葉が。残っているタシロ軍に立ち向かい、見事に大将の風船を割り、合戦を終えました。   


うつむく子、仲間やリーダーをねぎらう子、すがすがしい表情を浮かべる子―――。それぞれ違う表情を浮かべていましたが、自分の目標に向かって精一杯やった事実が色あせることはありません。 この経験はきっとこれからの子どもたちの人生に彩りを加えてくれるでしょう。ときに自分の気持ちを抑え、仲間のために刀を振る。うしろに下がりたい気持ちをぐっと我慢し、勇気を出して一歩前に出る。そんな強くしなやかな心が育まれた3日間だったと思っています。  


2日目の午後は川遊び。サムライの疲れは一体どこへ……!? 魚つかみに水かけ、魚探しに石積み、水温泉作り。次から次へと遊びを見つけては最後の最後まで全力で楽しみつくしました。サムライで同じ目標に向かって進んだ仲間同士だからこそ、距離も縮まり、みんなで楽しむ時間となりました。


生活面でも、子どもたちの成長が随所に感じられました。気づいたらトイレのスリッパを整える、苦手な食べ物にも挑戦する、おかわりをもらったときにはありがとうと伝える。そんな「相手を想った行動」が随所に見られた3日間でした。この経験がこれからの人生に糧として残っていきますように。また会えることを楽しみにしています。  


2025年 夏
花まる学習会 スティック/小林駿平

 

 

小林駿平(こばやししゅんぺい)/スティック

花まる学習会(オンラインブロック ブロック長/埼玉ブロック)

 

🌳花まる野外体験公式サイト
https://hanamaruyagai.jp/

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