2024年度の花まるサマースクール、現場からのレポートをお届けします!
今回は、「わくわくアドベンチャー」のコースを引率した 「プーさん」のレポートです。
【1日目】
宿に到着して昼食をとり、ピクチャーリーディングに挑戦しました。小さく切り取られた写真を見ながらそれがどの場所なのかを探します。「もしかして、あれじゃない?」とわずかなヒントから予想をする楽しさを体験しました。そして、くまなく探して見つけたときの「あった!」という大きな喜びを感じ、チームで自分の考えを発信することの大切さを学びました。どの班も「あと2個」「あと1個」とすべての場所を見つけ出すまで諦めない姿勢が輝いていました。
【2日目】
たくさんの理科実験をおこないました。まずはスチールウールの燃焼実験。燃えると「あ、色が変わった!」「燃え方がおもしろいね」と五感を使って変化を感じ、発見を共有し合いました。次はライターの分解です。最近は見ることも少なくなってきたライター。まずは火をつけてみます。ボタンを押し込む力が必要なものにも、シュッシュッとスライドさせるため手先の器用さが必要なものにも挑戦しました。何度も挑戦した子どもたちは、火をつけることに成功すると「ついた!」と思わず叫びそうになるほど、感動していました。ほかにも、炎色反応の実験では、物質による色の違いを学ぶと同時に、オレンジ色の炎が違う色に変化するのを目の当たりにして大興奮しました。みんなで力を合わせて熱気球を作り、自分たちで飛ばしたときのあの感動も、忘れられない瞬間になったことでしょう。
実験自体もそうでしたが、そのあとの「実験結果のまとめ」の時間に、子どもたちの頭がフル回転していました。なぜ熱気球は飛ばなかったのか、その理由を考察してまとめた班。実験結果から考えられることを考察しまとめた班。自由なテーマでまとめたからこそ、さまざまな視点での考えや感想が集まりました。夜の活動では、それらをみんなの前で一生懸命発表しました。
【3日目】
午前中は100人鬼ごっこ(しっぽ取りゲーム)をおこないました。ただ逃げればいい、という単純なものではありません。どうしたら勝てるのか、それを考えながら関西チームを相手に戦いました。士気が高まると「角にいる子は要注意!」「生き残っている子がいるかもしれないから最後までよく見よう」とアイデアを出し合う子どもたち。「そうだね」「それ、いいね!」と一致団結し、力を合わせて立ち向かう喜びを感じました。
本気で戦うのと同時に大切にしたのは「言葉」です。勝ち負け以上にどんな言葉を発するかを大事にしようと伝えました。すると子どもたちは思うような結果が得られなくても「大丈夫! 次があるよ!」と前向きな言葉で支え合うように。試合終了後、相手の関西チームに送った「ありがとうございました」には心がこもっていました。そして結果発表では、「がんばったね」と対戦相手の健闘を讃える拍手が自然と沸き起こりました。
午後は、川遊びへ。水かけ合戦、魚とり、石や貝殻探し、天然のウォータースライダーなど、遊び方はさまざまでした。自由だからこそ、自分の「こうしたい」に向き合う。それを実現できたときの喜び・楽しさを存分に肌で感じました。
【4日目】
最終日は4日間を振り返って、作文を書きました。いくつもあった遊びのなかから、自分の心に残った瞬間を言葉にしました。表彰式では、仲間と互いの頑張りを讃え合いました。
行きの車内で子どもたちに「どんな大人になりたい?」と問いかけました。困ったときやうまくいかないとき、決められないときはいつもそこに立ち返ろうと話をしてサマースクールが始まりました。一緒に楽しみ、仲間を大切にし、思いっきり遊びぬいた子どもたち。全体に言葉を発信して仲間の気持ちを高める子や水筒を自分で洗えるようになった子、チームのために勇気を出して行動した子。自分の目標に、自分の心に向き合って過ごした3泊4日だったからこその成長がありました。これから、子どもたちがさまざまなことを経験していくときにこの言葉を思い出して、力強くそして自分らしく生きていってくれることを願っています。
2024年 夏
花まる学習会 プーさん/坂口徹
坂口徹(さかぐちとおる)/プーさん
花まる学習会(中京ブロック)
🌳花まる野外体験公式サイト
https://hanamaruyagai.jp/