年末の授業で子どもたちに「タケノコシート」(花まる学習会オリジナルの通信簿)を渡しました。タケノコシートには、子どもたちの4月からの成長が詰まっています。ある分野に長けていて輝いているところ、最初はなかなかうまくできなかったけれど少しずつできるようになったところ、これからもっともっと成長していくところ…。
授業の冒頭に
「みんなのことをたくさん考え、想いをこめて書いたお手紙を渡します! 輝いているところ、頑張っているところを伝えて渡すので、賞状をもらうように、真剣に受け取ってください」
と伝えました。タケノコシートを渡され言葉をかけられる子どもたちは、頷きながら聞き、笑顔になっていました。
自分の輝いているところを伝えられた子どもたちは、その後の授業でいつも以上にやる気に満ちていました。そして、伝えられた部分を意識している子もいました。たとえば、2年生のAくん。一切妥協せずに取り組めるところが素敵なAくんは、いつもよりも、サボテン(計算教材)のタイムを意識したり、レインボータイム(すべての課題が終わった子が取り組める特別課題)の最難関レベルにも挑んだり、自分との勝負を楽しんでいました。2年生のBくんは素直にいろいろなことを吸収していけます。いつもよりも「できた!」と素直に喜び、なぞペーで粘り強く考える姿が見られました。大人の一言にはパワーがあります。
また、保護者のみなさまには、「たくさんの認める声かけをしていただきたい」とお伝えしました。できていないことはもちろんできるようにサポートしていきますが、できていないところに目を向ける以上に、この時期は特に、頑張っているところに目を向けることが大切です。そしてそれを一番の味方であるお父さまやお母さまから伝えていただくことが一番の自信につながると思っています。
すると、1年生Cくんのお母さまから以下のような連絡をいただきました。
Cがタケノコシートをとても嬉しそうに見せてくれました。普段私が見ているCの得意なところが、たくさん花まるでも発揮できていることがわかり、Cがのびのび過ごせているんだろうなと想像して嬉しくなりました。
また、先生方が下さったメッセージを拝見し、個々をしっかり見てサポートしくださっていることを改めて感じました。いつもありがとうございます。
昨日、一緒に花まるに向かう途中、私が「今日は、今年最後の花まるの授業だよ」と言うと、Cが「えっ! あ、2022年の最後ってことね! もう漢字テストできないかと思った~」と言い、残念そうにする姿を見て、楽しんで花まるに通ってくれていることが嬉しくなりました。
考えることが大好きなCくんなので、なぞペー(思考力教材)やレインボータイムができなくなることを残念に感じるのかと思いきや、漢字テストとは! それほどすべての内容が楽しく、好きなのだなあと思いました。そして、頑張っているCくんをまるごと包み込むような、お母さまの愛も感じました。
ほかにも、タケノコシートに関してたくさんの感謝の言葉をいただきました。改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
どんな言葉をかけるか。
かける言葉によってやる気にもなりますし、自信へとつながります。逆も然り。今後も言葉一つひとつを大切に伝えていき、子どもたちが楽しく学習することができるよう、ぐんぐんと伸びていけるよう、授業をおこなってまいります。
花まる学習会 小島健(2023年)
*・*・*花まる教室長コラム*・*・*
それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。