2024年度の花まるサマースクール、現場からのレポートをお届けします!
今回は、「ファイヤーと行くサムライ合戦全国大会」のコースを引率した「スティック」のレポートです。
1日目。ドキドキ、わくわく、いろいろな感情を胸に飛行機に乗り込んだ子どもたち。飛行機に乗るまでのわずかな待ち時間なども使いながらあっという間に仲間やリーダーとの距離を縮めました。福岡に到着すると、すでにお互いを名前で呼び合い、チームによっては軍議をしているチームも。この全国大会にかける気持ちが伝わってきました。
この全国大会を過ごすうえで、子どもたちと3つの約束をしました。1つ目は、何事にも全力で取り組むこと。何事も、手を抜いて取り組んだ先に得られるものはありません。サムライに限らず、目の前のことに全力で誠心誠意向き合うことを確認しました。2つ目は、感謝の気持ちを忘れないこと。いまこの場にいられることは当たり前のことではなく、さまざまな人に支えられて実現していることです。その相手に思いを馳せて過ごせるようになってほしいと伝えました。3つ目は、言葉を大切にするということ。言葉は心に残ります。ずっとずっと残るもの。だからこそ、前向きな言葉、プラスな言葉を大事にしたいと伝えました。
それらを真剣に聞き、うなずき、そして3日間やり切った子どもたち。勝ち負けに関係なく、それを超えた一生モノの絆が子どもたちのなかに生まれたのではないかと思っています。
1日目は合戦場に到着すると準備をしてすぐに天下統一戦が始まります。バスのなかで子どもたちに「何を大事にしたい?」と聞くと「勝つこと」「最後まで楽しむこと」「チームワーク」の3つがあがりました。その言葉に恥じない、堂々とした合戦を繰り広げる子どもたち。相手に敬意をもって、戦い抜きました。攻めるときも守るときも、バラバラになることはありません。スイミーのごとくみんなで動き、みんなで守る。当たり前のようにこれらができる子どもたち。次第に他軍を引き離していきます。戦も終盤に迫ったとき、点数で優位に立つ我らが関東緑軍は、他軍全軍から猛攻を受けるという局面にぶつかります。それでも弱音や相手を責め立てるような言葉を発する子は誰一人としていませんでした。「大丈夫だよ」「まだまだここからだよ」「気持ちで負けないことが大事だったじゃん」大将が何かを言うまでもなく、自然と子どもたち同士で言葉を交わしながら、見事一度も大将の風船を討ちとられることなく、1日目の合戦を終えました。結果は見事に天下統一。子どもたちの歓喜の輪が広がりました。
迎えた2日目。戦況は一変します。追われる身となった関東緑軍。相手も勇気をもって果敢に攻めてきます。もちろん、それも想定内。慌てることなく、緑軍も落ち着いて前に前に歩みを進めます。順調にポイントを獲得していき、前半戦を終えて1位に。2日連続の天下統一も見えたかに思えましたが…そううまくはいきません。相手だって本気です。必死にてっぺんを目指して全軍が全力を尽くします。終盤におこなった子ども大将戦では、勇気をもって子どもたちだけの力で見事相手軍の風船を割りました。士気が高まる緑軍。最終戦を残して、同率の1位。天下統一は目の前です。ただ、最後の最後、上回ったのは他軍でした。
わずか1ポイント差での2位で合戦を終えました。子どもたちのほほからは自然と涙がこぼれます。下を向く子もいました。それは子どもだけでなくリーダーも同じです。悔しい思いで下を向く関東緑軍でしたが、救ったのは子どもたちの声でした。「リーダー、最後までありがとう」「大将、最後まで逃げ切ったね!」「ぼくね、また来年もここにきたいんだ。関東チームがやっぱりNo.1だってことを伝えたい」。悔しい思いがあるにもかかわらず、前向きでやさしい言葉をかけ合う子どもたちでした。
2日間を通して「誰かのために」戦える強く優しいサムライの姿がそこにはありました。流した涙はきっとこれからの子どもたちの人生に彩りを添えることでしょう。
3日目はみんなで太宰府天満宮へ。参拝を終えてお土産を仲間といっしょに買う時間です。「本気の戦い」を終えた子どもたちには、忘れることのできない宝物が増えたようです。
サムライ合戦に勝っても負けても関係なく、相手への礼儀を忘れず、感謝を伝えられる、布団敷きなど自分たちでできることは手を抜かずやり切れる、そういった心の成長を強く感じることができました。
この3日間がこれからの子どもたちの人生を支える1ピースになることを願っています。また会えることを心から楽しみにしています。3日間、本当にありがとうございました。
2024年 夏
花まる学習会 スティック/小林駿平
小林駿平(こばやししゅんぺい)/スティック
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