小4の長女が、「青い箱」に入ってきました。
花まる学習会やスクールFCの講演会などでよくお話ししているのですが、9才ぐらいまでが幼児期の「赤い箱」。振り返りができない、落ち着きがないなどの特性があるオタマジャクシの時期です。その後、グレーゾーンを経て、10才以降が思春期の「青い箱」、カエルになる時期。振り返りができるようになったり、学習体力がつく一方で、親には反抗的になり外の師匠が必要になってきます。
先日も「都道府県について調べる」場面で、「北海道で有名なのは?」「岩手県ってどこ?」と何でも親に聞いてくる長女。参考書があれば進めやすいかな、と思い、花まるで出版している都道府県の書籍を購入して「次からはこれで調べてね」と渡したところ、ちょうど虫の居所が悪かったのもあるとは思うのですが、
「本を買ってなんて言ってない」
「どうして、ママはいつも、花まるの本ばっかり買うの」
と食ってかかられて、こちらもカチーン。「いいと思ってるから買うんだよ! 人に何かをしてもらったら、まずはありがとう、でしょっ」と、瞬間沸騰。怒鳴り散らしてしまいました。
高濱がよく「母親は、高学年の娘は会社の後輩と思え(子ども扱いするのではなく、対等な大人としての接し方に変える)」と話していることを、知識として持っている。
また、スクールFC代表松島によるVoicy「幸せな受験ラジオ」の思春期女子との向き合い方の回で、「――母子ともにホルモンバランスの変化がある時期だからイライラしやすい、自分で何かを解決したいと思っている時期、まずはじっくり話を聞いてあげて~~」というアドバイスも聞いたことがあり、参考にしよう、とメモ。
ただ、子どもの「カチン」とする言動を前に、冷静にそれらのアドバイスを実践するのが、なんと難しいことか……!
イラッときたら6秒数えるや、スマホの待ち受けを子どもの小さい頃の写真にして、それを見ていったん心を落ち着かせるなど、アンガーマネジメントの手法もあれこれ耳にしますが、それでも、この「心の底から湧き上がる怒りやイライラ」って、対処しがたいものがあるよなぁ。自分がこんなに感情的な生き物だったとは。親になって揺さぶられる部分は本当に大きいです。
さて、私はいま「この自分のイライラをどうしようか」という段階で「これっ!」という根本的な解決策は見つかっていないのですが、最近、自分が育児メモに書いた【長女との「ケンカトリガー」を知っておく】というキーワードは、割と有用でした。
自分は、子どものどんなところにイライラしやすくて、ケンカになりやすいのか、を言語化しておく。
→たとえば
①子どもが自分のイライラを「人(親やきょうだい)にあたることで発散しようとしている」ことに対してイライラする。
②「やらなくてはいけないこと」が終わっていないのに、ダラダラしているのを見るとイライラする。
その後、仕分ける。
①に関しては譲れない。普段から「私はそう考えている」ということを伝えるし、そういう事態になったら諭す。②に関しては、個人の資質による(夏休みの宿題を最初にするか、最後にするかは人それぞれ……)ので、それは本人の裁量に任せて、自分の感情からは切り分ける(いい意味で感知しない。本人が困っていたら、また考える)。
ここまで言語化したおかげで、子どもの言動への「イライラ」の場面になったときに、割とすぐに分析することができて、①のケースだったら「後輩ОL対応、じっくり話を聞いてから諭そう」モードに切り替える。②のケースだったら(よし、放っておこう! このイライラで、私の時間を消費するほうがもったいない)と、切り替えることに成功したケースが何回かありました。
子育ては、嬉しさとイライラが常に両輪ですが、考え続けることはやめずにいたいなぁと思います。今回のケースが、何かしらの参考になりましたら幸いです。
花まる学習会 勝谷里美
🌸著者|勝谷 里美
花まる学習会の教室長を担当しながら、花まる学習会や公立小学校向けの教材開発や、書籍出版に携わる。現在は、3児の母として子育てに奮闘中。著書に『東大脳ドリルこくご伝える力編』『東大脳ドリルかんじ初級』『東大脳ドリルさんすう初級』(学研プラス)ほか