【花まるサマースクール2023】やみ～/宮阪太久哉🌻

キャンプ場での日々

目を覚まし、扉を開けると見えてくるのは美しい大自然。篠沢大滝キャンプ場で開催するコースではバンガローに宿泊するので、すぐに外に出ることができます。私はこのキャンプ場から見る朝焼けが大好きです。朝焼けを見ながら歯磨きをするのが、ここにいる間の私のルーティンです。また、寝るときと着替えるとき以外はほとんど外で過ごすので、日常生活では感じることのできない音や景色に、敏感に反応してしまいます。キャンプ場から見える川の水はとにかくきれいで、川底や泳いでいる魚が見える透き通った水のなかでいろいろな遊びを楽しむ「川遊び」も、貴重なひとときです。子どもたちにもこのような非日常を同年代の仲間たちと一緒に味わってもらいたい、そんな想いでこのコースを運営しています。


今年も子どもたちはきれいな川に飛び込みんでリーダーと水をかけ合ったり、生き物を探したりとおおはしゃぎでした。そんな川遊びの時間に子どもたちが頑張ったと語る思い出の一つが、「プチ沢登り」です。沢登りといっても急な岩場を登っていくのではなく、支流の少し岩があるような水位の低い場所でのチャレンジです。それでも、歩きにくい場所では岩をつかみながら進む必要があるため子どもたちにとっては大冒険。事前に沢登りでの注意点を伝えると、子どもたちは一気に真剣な表情になります。不安そうな表情になる子もいますが、勇気を振り絞って、班ごとに進んでいきます。前の子が通ったルートを一生懸命確認しながら進み、途中、止まってしまう子がいると「がんばれー！」「そこの岩をつかむといいよ！」と声をかけ合います。流れが強いところでは、大自然の厳しさを感じながらみんなで気持ちを合わせて乗り越えます。そして、ゴールに辿り着くと、出発前の少し不安そうだった顔が達成感に満ち溢れた表情に変わります。班のみんなと一緒だからこそ頑張れる体験だと感じます。


今年度、ここでのコースの運営には、高校生リーダーの存在がありました。高校生になった花まるの卒業生たちが、ボランティアでサマースクール運営のサポートをしてくれていたのです。子どもたちにとっては、大人のリーダーよりも身近で、あこがれの存在。全力で一緒に遊んでくれ、裏方の仕事も真剣に進めてくれる高校生リーダーとともに過ごした子どもたちの多くは、最終日に「高校生になったら自分も高校生リーダーになりたい！」と言いました。私たちスタッフにとっても、教え子と再会し、彼らの活躍を見るのは何とも嬉しい瞬間の連続。その高校生リーダーたちが見せてくれた背中から、子どもたちはさまざまなことを感じることができたと思います。


キャンプ場でのコースでは、遊ぶときはもちろん、ごはんを食べるときも、歯を磨くときも、水筒に水を汲むときも屋外です。活動中だけでなく生活の時間も外で過ごすからこそ五感を使って感じられるものがある、このコースを運営していていつもそう感じます。


お子さまを送り出してくださった保護者のみなさま、本当にありがとうございました。大自然のなかで五感をフルに使い、仲間とともに生活をする日々で得たものがお子さまの人生に新たな彩りを加えられていたら幸いです。


2023年 夏
花まる学習会　やみ～/宮阪太久哉

花まる学習会（東京東ブロック）