小学生クラスでは今年度初のHIT(Hanamaru Intelligence Test)と花まる漢字テストを実施しました。1年生のなかには人生初めてのテストだという子もいました。子どもたち一人ひとりがさまざまな想いをもって臨んだ今回のHIT。教室で一生懸命解いている姿、そして子どもたちが取り組んだあとの解答用紙を見て、「本当によく頑張ったな」と強く感じました。
保護者のみなさま、子どもたちの頑張りを支えてくださり、本当にありがとうございました。
たくさんの練習を積み重ねて花まる漢字テストに臨んだHちゃん。いつもより早く教室に到着し、すぐに漢字ポケット辞典を片手にノートに練習を始めました。
彼女は毎週、漢字練習をしてきたノートを提出してくれていました。ページいっぱいに漢字が並んだノートには、手と紙がこすれて黒くなっているところが多く見られました。真剣に、全力で取り組んできたことがわかります。
Hちゃんが真剣に漢字練習に取り組んでいたのには理由がありました。昨年度の花まる漢字テストでのこと。出題範囲を予め伝えていたものの、すっかり忘れていたようで、練習を始めたのはテスト1週間前でした。頑張ったものの、すべての範囲を練習しきれず不完全燃焼で当日を迎え、悔いの残る花まる漢字テストになってしまったといいます。
「今回は事前にしっかり準備をしよう」そう強く決心して臨んだ今回のテスト。いよいよ花まる漢字テストの時間になると、Hちゃんの集中力は最高潮に達しました。スラスラと鉛筆を動かし、テンポよく問題を解き進めていきます。ひと通り解き終えると、答えが思い浮かばなかった問題を再度確認してひたすらに考え続けるHちゃん。それでも思い出せない漢字がいくつかあったようでした。あっという間に20分が経ち、未完成のまま終了。Hちゃんの表情は曇り、いつになく落ち込んでいるように見えました。帰り際、授業前に提出してくれたノートを返却すると、受け取ったノートにポタポタと涙が落ちていくのが見えました。たくさん練習した「努力の結晶」に、涙が滲んでいきました。
「高学歴芸人」としてクイズ番組で大活躍をしているお笑いタレントの宇治原史規さんは、「大学入試の前日は、いままで勉強してきたノートをひたすら見つめていた」そうです。そしてその行為は、「これだけ勉強したんだ。大丈夫だろう、と自信につながった」とも話していました。
頑張った時間は見えなくなってしまうけれど、「何かに残す」ことで振り返ることができる。彼女も宇治原さんのようにノートから勇気をもらっていたのかもしれません。そう思うと、ノートを信じるということは、自分を信じることにつながる。今回の漢字テストから、彼女は大切なことを学んだのではないでしょうか。
残し続けた学びの跡が自信につながるのは、漢字練習に限りません。子どもたちがご家庭で頑張って練習したものがあれば、ぜひ教室にお持ちください。必ず目を通しますし、一言声をかけて返します。それがモチベーションにつながる子もいます。
次回のHITは10月。継続的な学びを応援するとともに、子どもたちの「努力の結晶」を見られることを楽しみにしております。
花まる学習会 山口 大河(2021年)
*・*・*花まる教室長コラム*・*・*
それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。