オンライン授業を開催したときの3年生Kくんの様子です。
Kくん:「先生、全部算数の問題終わったよ!」(画面越しに解いたプリントを見せる)
私:「おー!じゃあ、答え合わせをしよう!どうだった?わからない問題あった?」
Kくん:「いや、全部合っていたよ!ほら!」
私:「すごいね!今日は自分一人で解くことができたんだね!」
Kくん:「ふふん(笑)」
数分の出来事でしたが、問題を解き始めてから答え合わせまでの間、黙々と問題に向き合う集中力の高さに驚きました。その学ぶ姿勢は、ほかの課題でも随所に表れました。音読ではテキストを両手で持ち、思考力を要するテキストでは「先生、これどうですか?」「ありがとうございます!」と丁寧な対応をします。普段の教室授業ではあまり見られない姿でした。
こちらは1年生のSくんの様子です。
私:「算数のノートを出してね!」
Sくん:「はい!」
私:「今日は、準備が早いね!先生の真似をしてノートに今日の日付やタイトル、ページ数を書き込もう! 終わったかな?」
Sくん:「うん」
私:「そうしたら、問題①を考えて、式を書いていこう!」
Sくん:「書けた!」
準備が素早く、問題を解くためにパッと手を動かしていました。普段の授業よりも機敏に行動していました。
今回のように、オンライン授業では、二人のようにいつもと異なる一面を見せる子が何人もいました。その要因はいくつかあると思います。ひとつは、保護者の方の影響です。同じ空間に保護者の方がいることによって、どこか普段と違う緊張感があったり、表情が固まったり、逆に親御さんがいることでリラックスしたりする子もいるかもしれません。もうひとつは、空間によるものです。画面上には一緒に学ぶ仲間がいますが、実際はその空間には自分しかいません。それを孤独に感じてしまう子もいるかもしれませんし、逆に一人だからこそ集中できる子もいます。または教室のように同じ空間の中に何人もいた方が集中できる子もいるでしょう。当然、オンライン授業や教室授業ともにあまり変化しない子もいます。また、講師と1対1のときは何でも話せても、そこに保護者の方がいると少し恥ずかしそうにしている子も多く見かけます。
つまり、子どもたちは、いまいる環境や誰とかかわっているかなど、さまざまな要因が重なっていまの姿があり、無意識に姿を変えている可能性があるということです。
ご自宅で見せる内の顔と教室のような外で見せる顔は異なるからこそ、それ私たちが知ることで、子どもたちへのかかわり方がより良いものとなるのではないかと思っています。
花まる学習会 舟橋一夢(2021年)
*・*・*花まる教室長コラム*・*・*
それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。