花まる学習会・スクールFC卒業生のその後に迫るインタビュー!
第14弾は、 大学生でリバランサーとしても活躍している 、伝説の卒業生にインタビュー!
ようこそ先輩! 川端修平さん
【花まる学習会】武蔵浦和教室(小1~)
【スクールFC】南浦和校(小4~5)
特算・スーパー算数
*担当教室長:高濱正伸、松田な奈、仁木耕平、大塚剛史、大中康弘ほか
【進路】開智中学・高等学校→東京大学
【現在】学生・リバランサー
■花まる・FCの思い出
高濱 花まるの授業で覚えていることはある?
川端 四字熟語、あさがお、サボテン、なぞペー、立方体の絵描き歌…立方体の描き方は、学校で別の方法を習っても変わりませんでした(笑)
高濱 よく覚えているな。先生のことも覚えている?
川端 武蔵浦和教室で松田先生に教わって、とても親身に接してくださったことを覚えています。FCでは、仁木先生に大塚先生、大中先生…たくさんの先生にお世話になりました。
高濱 本当によく覚えているな!辛いことはあった?
川端 FCが自宅から遠かったことくらいです。もっと友達と遊びたいという気持ちもあったかもしれないですが。あとは、算数が難しかったですね。数学はできるようになりましたが、いまだに算数はハイレベルだと感じます。
高濱 算数は、発想力が重要だからね。
■野外体験の醍醐味
高濱 野外体験には参加していた?
川端 サマースクールで、忍者のコースと秘密基地づくりのコースに参加したのを覚えています。
高濱 修平にとって、野外体験はどんなもの?
川端 楽しいのはもちろんですが、現実世界で、全身で学ぶことができるところに大きな価値があると思います。思い込みによって見えていなかった世界に出合える。高濱先生がよく「ゲームばかりはよくない」とおっしゃるのは、概念の世界でしか考えられないところにあると思うんです。
高濱 そうなんだよ。そういえば、障がいのある息子の丈太朗と同じ宿で過ごしたこともあったよね。そのときに、修平はなんて人格者なんだろうと思ったんだよ。丈太朗と触れ合うことにまったく躊躇しなかったよね。
川端 壁を作ること自体に、違和感がありましたね。母が差別に対して否定的で、僕もその通りだと思っていました。母に精神疾患がある時期もあったし、僕自身、転校して疎外感を抱いた経験もあったので、他人事じゃなかったのだと思います。
高濱 なるほど。野外体験の経験は、修平の人生に役立っている?
川端 ものすごく役立っています。東大でも、就活が始まると多くの学生たちが不安に襲われるようになるのですが、自分が何をやりたいのかわからないから不安になって、ブランドなどのわかりやすいものにすがり始めるんだと思います。でもそうすると、もっと苦しくなっていく…。たとえば、大自然で大空に輝く星を見て感動した経験があれば、お金とか地位とか関係なく、幸せを感じることができます。考えようのないところで自然と一緒に呼吸して、友達とのつながりを感じて、自然も友達も理不尽なところはあるからぶつかり合いもあって、そんなかかわり合いのなかでバランスをとりながら過ごす経験はとても大切だと思います。
高濱 おぉ~。野外体験の醍醐味を味わってくれてうれしいよ。
■リバランサーとしての想い
高濱 現在の職業は…「リバランサー」?
川端 リバランシングとは、心身の不調(アンバランス)をヒーリングやボディワークなどを通してひもとくことで、自分のねっこにある気持ちに気づき、心身から新たな調和(バランス)へと向かっていくためのスキルです。自宅でリバランスワークのサロン「リバランシングルーム灯(あかり)」を開いて、心身の不調や立ちゆかない現実などを手がかりに、来られた方が自らの人生を歩み出すのに立ち会っています。
高濱 すごいな。どうして興味をもったの?
川端 中学1年生から合気道を始め、心と体はつながっていると感じていました。同時期に父が末期がんであることがわかり、すでにステージ5、5年後生存率は20%と言われました。父は化学療法を受けない決断をし、食事療法を始めたのですが、次の検診には治ってしまい、5年後に「完治」と言われました。僕は食事療法のおかげだと思っていたのですが、父は「がんとの向き合い方を変えて、病と闘うのではなく、がんと仲良くしようと思うようにしたらなくなっちゃった」と言うんです。実は、父と合気道の稽古をしていて、稽古の最中に父が急に丸くなったと感じる瞬間がありました。それまでは真面目でガチガチなタイプで、それが技にも表れるほどだったんですけれど。あの変化ががんの完治につながったのではないか、あながち父が言うこともおとぎ話ではないのかもしれない、と思い、心身のつながりを再確認しました。
高濱 すごい。夢のような話だね。
川端 父の食事療法の影響で、僕も自然栽培にこだわった食事をとっていたのですが、そういう食事をして学校に行くとちゃんと頭が働くのに、コンビニで買ったパンなどを食べるととたんに集中力が減退するんです。そういう日は頭も体も鈍いし怪我もしやすい。僕自身の体験からも、心と体は切り離せないと感じています。
高濱 心身のつながり…確かになぁ。
川端 大学生になって、感染症対策でオンライン授業に切り替わったときに、自宅の庭で畑を始めました。畑で生き物と触れ合っていると、人は一人だけで生きているわけではないことに気づかされます。経済学では人の営みを労働と余暇とに分けて考えたりしますが、経済が見ているものはあまりにも限定的な世界なのではと思うようになりました。感染症対策も、有害だから除菌する、だけでなく、なぜそのウイルスがいまここにいるのか、増えているのかという背景を考える必要があると思います。社会問題も同じで、何か、誰かが悪いから排除するのではなく、その状況を生み出した土壌について考えなければ改善しにくいと思うんです。そういう視点で世の中について考えるようになったタイミングで、リバランスワークに出合いました。体に歪みがあることもその人の生き方による自然現象で、理由があって起こっているし変化し続けているから、無理やり“正しい位置”に矯正しようとしてもうまくいかない。その自然にかかわっていき、調和を見つけることが重要だと感じています。
高濱 俺に言わせれば、現象だけでなく背景まで考えられる人こそ、頭のいい人だよ。将来はどうするの?
川端 どうしますかね~(笑)
高濱 20代全部使って、ゆっくりでいいよ。旅をしてきてもいいと思うし。
川端 まだ具体的なことは考えていませんが、みんなが自分の人生を生き尽くせる社会をつくりたいです。リバランスでも経済活動でも同じですが、いまの状態に縛られて自分を見失わないように。
高濱 俺も講演会で同じことを言っているよ!自分の心をちゃんと見ることができれば、いまあるもので十分幸せに生きていけるもんね。数値や情報に翻弄されて、本当は自分が何に感動するのかが見えないと苦しいんだよ。価値は全部自分のなかにあるのに。
川端 高濱先生に受けていただいた「気ままな施術」は、お布施方式にしているのですが、それにも意図があります。お金を払わされる感覚は、身を削がれるというか、自分の一部と交換するような感じがして苦しくなると思うんです。でも大好きなカレー屋さんでカレーを食べたことに対する支払いには幸せを感じられる。だから定価を設定せずに、納得した分だけ納めてもらう方式にしているんです。
高濱 いや~、ものすごく哲学をしているよね。修平の活動とその哲学の深さを知って、ちょうどいいから施術を受けながら話を聞こうと思ってお願いしたのに、心地よくってすぐに寝ちゃってさ(笑)
川端 こうやってお話しできてよかったです。
■お母さんのこと
高濱 修平にとってお母さんは、どんな存在?
川端 とても頑張ってくれていたと思います。野外体験に参加させてくれたことも、本当に感謝しています。同時に、プレッシャーを感じていた面もありましたが。
高濱 お母さんの期待に応えなきゃ、という思いか。
川端 あとは…母は自分を生きている人だとも思います。受験期も、僕の志望校を知らないまま、畑について勉強しに行ったりしていました。受験生への手厚いサポートのようなことはあまりしてもらった記憶がなくて、受験直前に受験校を言ったらびっくりされて、合格してさらに驚かれて、みたいな(笑)そのおかげで受験も自分の人生として考えることができましたね。
高濱 東大に合格して、喜んでいただろうなぁ。
川端 子育て中のお母さんたち施術をすると、生きざまが体に表れているように感じます。同時に、もっと母としての人生を楽しんでほしいと感じます。お母さんが人生を楽しんでいれば、子どももお母さんを楽しませるためにできることを探すのではなく、自分が本当にしたいことに向き合える。施術を通してお母さんが変わり、お母さんが変わることで子どもが変わっていく、ということも少なくありません。
高濱 修平は、大事なことから目を逸らさずに生きていけているところが素敵だな。これからも、応援しているよ!
川端 ありがとうございます。