花まる学習会・スクールFC卒業生のその後に迫ります。
第26弾は、高濱と川波が、伝説の卒業生にインタビュー!
ようこそ先輩! 愛織さん
【花まる学習会】(小1~5)
【スクールFC】(小6~中3)
【進路】公立中学校→私立高校→中央大学
【現在】俳優
川波 愛織は小さい頃から子役タレントとして活躍していたね。
高濱 目立つ存在だからこその悩みもあったよな。
愛織 お仕事の性質とは裏腹に、注目されることに慣れず人見知りで、学校や野外体験など、集団で活動するのは苦手なタイプでした。
川波 それでも野外体験にたくさん参加していたよね。
愛織 正直、出発までは行きたくない気持ちでいっぱいでした(笑)。
高濱 お母さんの愛と努力の賜物だよ。
愛織 いまでも心配しすぎなくらいです(笑)。
川波 お父さんが親子キャンプに参加してくださったこともあったね。
愛織 父は母とのバランスを考えてあまり干渉しないようにしてくれているようですが、やはり心配で仕方ないみたいです。
高濱 ご両親は愛織を宝石のように育ててくれたんだね。
■花まる・FCの思い出
川波 野外体験はどんなふうに愛織の心に残っている?
愛織 出発するまでは不安でいっぱいだったけれど、友達ができて笑い合えた、楽しい思い出ばかりです。隣のテントの子に怒られるくらいに大笑いした思い出もあるし、いまでも名前を覚えている子もいます。
高濱 知らない人のなかに飛び込むのは勇気がいるけれど、仲良くなれるとものすごく楽しくなる。それが野外体験の醍醐味だよ。
愛織 スクール中の不思議な体験を小説にしたこともあります。
川波 すごい! どんなお話?
愛織 4年生で参加したサマースクールでのことです。2つ年下の女の子と並んで座って話していたときに、ぱっとその子の顔を見たら自分の顔のように見えたんです。それまで似ていると感じたことがなかったのに、なぜかその瞬間だけまるで鏡に映った自分のようだと思い、まじまじと見つめてしまいました。スクール後もその子のことがずっと気になっていたのですが、残念ながら再会できず…。
高濱 小説にすべき情景だなぁ。
愛織 自宅以外のところで寝ることさえ苦手な私でしたが、毎回どうにか夜を超えて、大切な経験を積むことができました。
川波 花まるの授業で印象に残っていることはある?
愛織 たんぽぽの時間が印象深いです。私は音楽を聴くように小説を読むのですが、その起源はたんぽぽの時間にあるのではないかと思っています。物語の内容や意味よりも、文体のもつリズムの心地よさに惹かれるんです。自分で文章を書くときも、ことばの手ざわりを最も大切にしています。そういう感覚をつかめたのは、たんぽぽで幼い頃から古典の名文に触れていたからだと思います。
高濱 意味を問わず素読に集中するたんぽぽの時間を、まるごと堪能してくれたんだね。
愛織 あとは、キューブキューブのかけ声がいつまで経っても忘れられません。立方体の絵描き歌も。講師として花まるに戻らせていただいたときも、完璧に再現できました。
川波 愛織にとって、花まるとは?
愛織 私にとって花まるやFCはもう一つの家です。家は安心できる大切な場所であってほしいですが、ずっとそこに頼り続けると成長できなくなってしまう。だからどんどん外に出ていくのですが、ふとしたときに帰ることができる、そんな存在です。いまこうしてお二人とお話している瞬間も、故郷に帰って来たような懐かしい気持ちです。受験を目前に控えたFCでの日々は、もやもやしたり悩んだりするたびに先生方が親身に話を聞いてくださって、本当にお世話になりました。
川波 花まるでの日々をこんなふうに振り返ってくれて、本当に嬉しいなぁ。
■学生時代のこと
高濱 愛織は学校に行っていない時期があったよね。
愛織 小学5~6年生と中学2年生です。自分自身と向き合う時間は、私にさまざまな気づきを与えてくれました。いまでは、この時期があってよかったとさえ思っています。
川波 どんなことを考えていたの?
愛織 ひたすら自己内省をしていました。両親に守られて過ごすことのありがたみを感じる一方で、まだ自分の人生ははじまっていないのだと感じていました。あの頃は思考まで母に任せていたというか…すべてをやってもらっていたので、自分らしく生きられている感覚がまだありませんでした。絵を描いたり、文章を書いたり、そういった自己表現をすることで、自分だけの人生と向き合おうとしていました。
高濱 なるほどなぁ。
■お母さんのこと
川波 お母さんはどんな人?
愛織 “他者性の塊”です。目の前で人が転んだら、考える間もなく手を差し伸べる人。損得を考えずに誰かのために行動できるところを尊敬しています。私は母に似ずかなりマイペースですが、撮影などで宿泊する際に、持ち物の準備や整理をきちんとしないと気が済まなくて。こんなにしっかりしているところが自分にもあるなんてとびっくりするのですが、そういうときに母の面影を感じます。
高濱 お母さんの背中を見て育ったんだね。
■これからのこと
川波 これからどんなことに挑戦していきたいの?
愛織 いまは国内での創作活動に力を注いでいて、俳優として活動しながら、映画を企画したり、筆を執ってメディアに投稿したりしています。 語学や異文化に興味があり、海外に行きたいとも思っているので、その機会を楽しみにしています。
高濱 おぉ〜。これからの活躍も楽しみだな。最後に、後輩である花まるっ子たちにメッセージをお願いします!
愛織 「世界は思うより広い、だから大丈夫」です。自分は変わっているのかもしれないと悩む時期もありましたが、たくさんの人と出会い、対話をしていくと、新しい発見があって、一人ひとりがユニークな存在であることに気づきます。知識や経験はきっとあなたの味方になってくれます。だから、自分や他人のことを傷つけることだけはしないで、怖がらずに世界を広げていってほしい。そう伝えたいです。
川波 愛織だからこそ伝えられるメッセージだね。
高濱 これからも応援しているよ!
愛織 ありがとうございます!