今の成績を伸ばすだけでなく、将来的に伸び続ける子になってほしい。
こう願うお母さんは少なくないでしょう。
「あと伸び」する子に育てるためには、高学年の時期の過ごし方が大切。
高学年期は受験をするかどうかで生活や勉強の方法が大きく変わってきますから、迷っているお母さんも多いのではないでしょうか。
今回は、15歳までに育てたい”あと伸びするために必要な「型」”をご紹介しながら、中学受験をせず公立トップ高生になることのメリットをご紹介します。
公立トップ高生は”あと伸び”しやすい
ある大企業のデータですが、30代後半の年齢層で、給料がどんどん上がって出世しているのは、中高一貫私立組ではなく、地方の公立トップの高校から東京の大学に来た人だそうです。
もちろん一概には言えませんが、公立トップ高生があと伸びする理由を考えると、とてもシンプルな答えに行き着きます。
高学年期という大事な時期に大切なのは、自分に合った「学習法」を身につけることです。
復習しやすいように学び、わからない問題にはわかるまで向き合う。
これを繰り返し「習っていることは簡単で、全部わかっている」という状態を型、つまり”当たり前”にします。
たとえつまずいたりすることがあっても、「やれば、できる!」「簡単!」という型ができている子は強いです。
やると決めたら、絶対全部わかっている状態にするための勉強しかしない。
だから、ずっと伸び続けていくのです。
公立トップ高生たちがぐんぐん力を伸ばしていくのは、どんな課題も自分の力で解決する学習の型ができあがっているから。
逆に言えば、前向きな勉強の型ができている子は、その後いつまでもあと伸びし続けることが可能です。
中学受験の落とし穴
中学受験の勉強量は、とても膨大です。
中には「習っても実力にしきれない(復習しきれない)」「授業についていけない」という子も出てきます。
以前、子どもが大手の学習塾でついていけないと悩んでいたお母さんがいました。
「何が分からないんですか?」
と聞くと、
「全般的に図形がわからない」
と返ってくる。
具体的なことがまったく出てきません。
つまり、「苦手」という意識になってしまって復習しきれていないのです。
「3、4年の復習からやりましょう」と言うと、「宿題が多くて、復習なんてしていられないんです」
これでは本末転倒。
学習内容を自分のものにしきれない勉強法を続けてしまうと、猛勉強をしても実力を高めていくことはできません。
公立トップ高生と難関私立高生は「自己像」にも差が出る
もう一点、あと伸びするかどうかを左右する重要なポイントがあります。
それは、「自己像」。
公立トップ高生の子どもたちは、15歳にして「何があっても大丈夫」「どんなことも自分の力で乗り越えられる」という自己像をもっています。
そのため、社会に出てから様々な壁にぶつかっても自ら行動し、よりよい方向へと進むことができます。
一方で、難関私立高生の中には入学後、すっかり自信を失ってしまう子がいます。
難関私立校には小学生時代「神童」「秀才」と呼ばれていた子が多く集まって入学してきますが、秀才ばかりの集団の中でも必ず格差が生まれ、ピラミッド型の構造ができます。
たとえ難関中学に入学しても、ついていけなくて自分がピラミッドの底辺のほうにいるとわかると、本当の実力以上に自己像が小さくなってしまい、「自分はダメだ」と消極的になってしまうのです。
最後に
中学受験も高校受験も、それぞれメリット、デメリットがあります。
今回は中学受験をしなかった公立トップ高生のメリットが中心でしたが、どちらにしても、要は15歳ごろまでに「自分はできるんだ!」「やると決めたらやりきれる!」という「型」を作ることが重要だということです。
高学年はそれが作られていく大切な時期。
宿題に追われる前に、まずは「できる!」型を育てることを目標にしましょう。
その過程で学習に対する意識や自己像を鑑み、その子に合った環境を選択することをおすすめします。
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