【幸せな受験体験談】vol.36 「いましかない瞬間を楽しもう」|成城中合格🌸Tさんのお母さま

【幸せな受験体験談】vol.36 「いましかない瞬間を楽しもう」|成城中合格🌸Tさんのお母さま

受験勉強を通して自学の姿勢を身につけ、志望校合格はもちろんのこと、進学後も幸せになる「幸せな受験」を目指すスクールFCの卒業生にインタビュー!

今回は、 成城中に合格したTさんのお母さまの体験談をご紹介します。

 

シグマTECHとの出会い

中学受験という世界があると知ったのは、いまから約8年前のこと。

息子は、幼い頃から興味関心の幅が広く読書も大好き、好きなことに対する集中力もあったため、さまざまな教科を通して成長する機会となるならば、その期間を親子ともども楽しめるのではと、興味をもったのがはじまりです。

中高一貫校で学ぶ環境はとても良いと思った一方で、どのようなものか知れば知るほど、地方公立中出身の私は「小学時代にこの勉強量は本当に必要なことなのか?」「子どもから子ども時代を奪うものではないのか?」と疑問を抱きました。FCの中学受験に関する講演があれば、自分が息子にさせようと考えているものの正体をつかみたいという変わった(?)思いで何度も参加していました。

いまでも強く印象に残っているのは、はじめに『二月の勝者―絶対合格の教室―』(ビッグコミックス)の「君たちが合格できたのは父親の経済力と、母親の狂気」という言葉を紹介してくださったI先生と、ご自身で掘られた石器を見せてくださったK先生です。

I先生のお話は非常にセンセーショナルな始まりでしたが、過熱し続ける中学受験の現状を、数々のデータや中受高受のメリット・デメリットなどとともにわかりやすく説明してくださり、シンプルに「選択肢の一つ」だとわかりました。K先生は、ご自身が何より楽しそうに、石器や子どもたちとのかかわりについてお話されるので、こんなに素敵な先生の授業がおもしろくないわけがない! と感じました。

また、I先生、K先生だけでなく、スクールFCの先生方の講演会はそれぞれで、お言葉の節々に子どもを思っての優しさが感じられ、中学受験そのものとともに、通塾への不安が払拭されたのを覚えています。

「夕ご飯をお家で」というフレーズに惹かれ、中学受験をするならシグマTECH一択だと感じました。

試行錯誤の日々

年長から花まるグループでお世話になりましたが、やはり中学受験の勉強となると、それまでのようにはいきませんでした。机に向かう習慣があったとしても、これまでとは質が違い、学年が上がるごとに量も増えます。やるべきことを迷わないようシステム化(親子で課題チェック、子どもが自分で取り組む内容を決め実行、親子で振り返り)しても、全然うまくいきませんでした。

息子は好きな教科とそうでない教科の取り組み方がまったく違い、できることを褒めようと思っても、やっつけで終えられたノートに、どう反応してよいかわかりませんでした。かと言って、隣でつきっきりで勉強を見るのはお互いに息が詰まる…。

いろいろと試行錯誤しているうちに、4年生も終わりに近づきました。担任のT先生よりお電話をいただき、いまのままではTECHで続けるのは厳しいと、再度進級テストを受けることになりました。当然の結果だな…とちょっと気晴らし(憂さ晴らし?)に本屋へ行ってみれば、「〇〇力は家庭で育つ!」「△△力は母親次第」などなど、子どもができないことがあれば、それは全部家庭(=母親)が原因と思えるようなタイトルばかり目に飛び込む。私が息子に中学受験をすすめたにもかかわらず上手にサポートできないからだと、自分を責めては不甲斐ない日々の連続でした。

中学受験を終えて、いま思えば、もっと初期の頃から先生方を頼って、どんな小さなことでも相談すればよかったなと思います。でも、当時の私は、まずは息子が受験に向き合えるようにならないと一生懸命教えてくださる先生方にも申し訳ないと思い、相談できませんでした。

そんな状態のまま5年生の1年間を過ごし、6年生になったらさすがに本人も本腰を入れるだろうと見積もっていたものの、相変わらずの日々。何かを禁止したり、交換条件で勉強させることはいやだったので、YouTubeやゲームとの付き合い方を話し合い、お友達と遊ぶ約束をしてくれば、どうやったら勉強をする時間が確保できるかを一緒に考えました。それでも徐々に時間の使い方が曖昧になってくるので、「なんのために受験勉強をしてるんだっけ」と息子に問い、「なんで私は中学受験させたいと思ったのか」「親のエゴではないのか」「合否がすべてじゃないと言うわりに、私はなぜ息子にやらせようとしているのか」を自問自答し続け、ことあるごとに息子は、私は、「どうしたいのか」を話し合いながら過ごしました。

「当日まで伸びる」

6年生の1月。埼玉での入試結果を受けて、ついに目の色が変わり始め、入試まで残すところあと2週間という頃、完全に目の色が変わったように感じました。それと同時に、あ、このタイミングだったのか、とも。私はこの目の色に変わったのを、6年生から、いやもっと前から見ていたかったのかもしれません。

そのような時期にちょうど発行されたFCだよりは、気分転換にも力強い支えにもなりました。特にM先生の「受験当日まで伸びる」は、第一志望校の出題形式(算数)が今年から変更されることになっていた息子にとって、とても勇気づけられる内容で、ワインエキスパートの資格取得までの道のりは、息子の味方になるような言葉ばかり。親子で何度も読み返しては、「当日まで伸びる」という言葉を心のなかで反芻しました。

「いましかない瞬間を楽しもう」

2月1日、私と息子は第一志望校へ。Zoom応援につなげると、TECHの先生方とともに、花まるの年長コースでお世話になったT先生からの応援もあり、そのあたたかさに思わず涙が溢れました。息子に泣いていると知られて変に緊張・動揺させてはならないと思い、反対を向いて、会場入りする大勢の子どもたちを見ていました。子どもたち一人ひとりの表情を見ていたとき、合否はこれまでどれだけ頑張ったかの努力の成果だけじゃないな、と感じました。たしかに、この日を迎えるまでの積み重ねは必要でした。しかし、みんながこの日までに並々ならぬ努力をし、誰もが合格を祈って試験を受けに来ていることが伝わったので、もう誰が受かってもおかしくない。受からなくても、誰も悪くない。「今日はお天気も良く、息子も私も元気にここに立てている。もうそれだけで万々歳」と思えたのです。

6校、計7回の受験は、3回合格を頂き、4回は不合格でした。最初に「不合格」の三文字を見たときは、思わず息を呑みました。でも、隣にいた息子が(内面では反応していたと思いますが)「ふーん」程度だったため、親のほうがショックを受けてはならない、ましてや息子の前で反応するのは失礼だと思い、次からは無反応で労いの言葉だけ伝えようと思いました。

しかし、2回目の不合格も息を呑んでしまいました。あれだけ頑張ったから報われてほしいと欲深くも思ってしまい、目に飛び込んできた三文字に心が追いつきませんでした。次は頑張れとか、力を出し切ろうとかいう言葉は、なんだか私から息子にかけるのにふさわしい言葉ではない気がして、言えませんでした。

3回目の不合格を見たあと、第一志望校のリベンジを含めて残り2回の試験を控えた息子に、咄嗟に出てきた言葉は「いましかない瞬間を楽しもう」でした。緊張や、同じ学校を目指す子どもたちのなかでの入試で、何が大丈夫なのかの根拠もなく、心から楽しめるわけないよね…と親の立場で思いながらも、息子が中学受験できるのもいまだけ、体調を崩せばそもそも受けられない、二度と取り戻せない時間を過ごすのなら、いっそのことその時間を楽しんでほしい! と思ったのです。翌日受けた第一志望校は合格。家族全員で泣きながらジャンプして抱き合いました。

中学受験を終えて

中学受験に挑戦しようと決めた4年前からを振り返ると、幼い息子と中学受験勉強に臨むときに、さまざまな負の感情に悩まされました。

でも、受験勉強そのものは、私たちの生活を豊かにしてくれるものでした。家族団らんでの話題が増え、旅先は歴史を学んだ場所から選び、散歩中にちょっとした季節の変化に気づき、知識をもって祝日や行事を楽しめ、息子が私たちには解けない問題を教えてくれ、過去問に出題された本を探しに本屋さんや図書館へ行き、正方形に切ったお餅で断面図を学んでお雑煮にし…。中学受験を選ばなかったら経験すらしていなかったことも多々ありました。課題がやりきれなかったり、わからないことがあったり、辛いこともあったはずですが、TECHでの3年間、息子は毎回すべてにおいて「楽しかったよ」と言っていました。

6年生で、GWには無人島、夏休みにはサマースクール(サムライ合戦)と家族旅行にも行き、12月までは欠かさずお友達とも遊び、1月にも美術館や博物館などへのお出かけもし、息子のやりたいと言ったことを、諦めない中学受験ができました。

また、そのようななかで、改めて「息子の人生は息子のものである」と強く思い、子どもであっても「あなたはどうしたいのか」を問い、人として尊重すること、ありのままの息子を丸ごと受け入れることの大切さを思い知りました。

さまざまなことはありましたが、息子が最後まで目標に向かって諦めず、常に前を向いて入試に臨め、一度は不合格だった第一志望校に合格できたのは、TECHの先生方が直前まで力強く支えてくださったからにほかなりません。

4、5年生の担任で5年生まで指導してくださったT先生をはじめ、6年生の担任で入試が終わる直前まで寄り添って指導してくださったI先生、質問しやすい環境を用意してくださり、算数の安全基地だった個別指導のY先生、そして、過去問に丁寧にコメントしてくださったり、知識を補うためのイラストやポイントをわかりやすく書いてくださった各教科の先生方、朝夜テックで見守ってくださったたくさんの先生方には、感謝してもしきれません。

とても温かく、幸せな中学受験生活を送らせていただきました。

 

講演会でのお母さまのメモ

長い長い受験体験記の最後になりますが…。中学受験に足を踏み入れる前に、I先生の講演会で自分が大切にしたいことをメモしたプリントが出てきましたので、そのすべてを大切に試行錯誤しながら息子と会話し、成長し、喜怒哀楽とともに充実した日々を過ごせたことをご報告して、この体験記を締めさせていただきます。

本当にありがとうございました。

 



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