今どうしてる?卒業生物語 【No.24】猿田洋祐さん

今どうしてる?卒業生物語 【No.24】猿田洋祐さん

花まる学習会・スクールFC卒業生のその後に迫ります。
第24弾は、第7代修斗世界ストロー級王者・第6代ONE Championship世界ストロー級王者に輝いた、伝説の教え子にインタビュー!

ようこそ先輩! 猿田洋祐さん
【花まる学習会】(小1~4)
*担当教室長:高濱正伸、樋口雅人 ほか
【進路】公立中学校→埼玉県立大宮東高等学校→文教大学
【現在】プロ格闘家/フィットネスジム経営

  


樋口 教えていた頃から20年以上を経て「修斗」のWebサイトに洋祐の名前を見つけたときは本当に驚いたよ。体つきはまったく違うけれどあの頃の面影がある写真を見て間違いないと思って。当時教室の会員保護者として子どもを通わせてくれていた教え子に「もしかして、洋祐は格闘技をやっているの?」とメールを送ったら「そうです、いまから試合です」と試合会場の写真を送ってくれたんだよな。
猿田 自分が代表・メインインストラクターを務めるジムで樋口先生がトレーニングをすることになるなんて、想像もできませんでした。毎回全力の姿勢を見せてくださるので、あの頃もこんなふうに私たちに向き合ってくれていたのだな、そしていまも変わらないのだなと感じています。

■花まるの思い出
猿田 花まるでは、紙のなぞペーをもらって解いていたのを覚えています。難しかったですが、とても楽しかったです。
樋口 洋祐は2 期生として入会したから、まさに創生期のメンバーだよ。その頃の低学年クラスのなぞペーは、ハイレベルな問題プリント1枚に挑戦する形式だったね。授業後に、園庭に出て泥まみれになりながら遊んだりもしたなぁ。野外体験のことは覚えている?
猿田 サマースクールが印象深いです。一人で遊ぶのが好きで集団行動はどちらかというと苦手だったのですが、親と離れて友達と過ごすなかで、不安なことも一緒に乗り越える仲間がいることの心強さを知りました。
樋口 洋祐は大人しいタイプだったね。サマースクールで洋祐がとんぼを捕まえようとしている写真が印象的だよ。すごくいい写真だった。
猿田 小学生の途中から虫を好きになった気がします。野外体験での自然と触れ合う体験がきっかけだったかもしれません。

サマースクールにて。
とんぼを捕まえようとしている猿田さん
■お母さんのことと、格闘家への道
樋口 お母さんはどんな人ですか?
猿田 優しいけれどダメなときにはしっかり叱ってくれる母です。両親ともに海外に行ったことがなかったので、中学生の頃から「自分は海外で活躍するアスリートになって親の知らない世界を見てみたい」と思うようになりました。
樋口 本当に世界を間近に感じさせる息子に成長したのだからすごいよ。
猿田 格闘技を始めてから修斗のチャンピオンになるまでは「どうしてそんなに危ないことをするのか」とあまり応援してもらえず、会うたびにやめなさいと言われていました。
樋口 わが子が殴られる姿を見るのはつらいよなぁ。
猿田 高校卒業間際に格闘技に出合い、大学卒業と同時に自衛官になることが決まって一度やめることにしたのですが、卒業直前に最後の1試合を、と出場したら受け身に失敗して腕を大怪我し、就職が白紙になりました。そのこともあって、両親には格闘技をよく思ってもらえませんでしたね。でも私にとっては覚悟が決まったというか、むしろ格闘技の道に進むきっかけになりました。
樋口 怪我をしないで自衛官になっていたら、いまとはまったく違う人生になっていたわけだよね。
猿田 格闘家の道を選んでからタイトルを獲るまでにも、8年かかっています。母には本当に心配をかけましたが、やっと試合を見に来てくれたり、ルールを学んだりしてくれるようになりました。

■抜きん出た心の強さと人望の理由は…
樋口 洋祐は試合中、どれだけ窮地に追い詰められても絶対に譲らないよね。あそこまでの心の強さをもっている選手はなかなかいないと思うのだけれど、どうやって鍛えたの?
猿田 苦しい場面では諦めたい気持ちも出てきますが、それを乗り越えるのが楽しいです。トレーニングも同じですが、選択肢としてラクな道ときつい道があればラクなほうを選びたいけれど、それではあまり成長がないことを知っているので。きついほうをとれば最終的には成長するし、新たな課題が見えて絶対に楽しいです。そのチャレンジ精神は、花まるで得意でないことや難問に立ち向かうなかで鍛えてもらったと思います。
樋口 嬉しいなぁ。洋祐の試合は毎回応援もすごいんだよな。それだけの人望を集める人間力も、さすがだよ。
猿田 本当にありがたいですね。
樋口 タイトルを獲ったその日も戻ってジムで指導したというのだから驚きだよ。
猿田 試合期間に海外に出られるのは、当時働かせていただいていたジムの方をふくめ多くの方の理解や支えがあってのことなので、一般的な会社員の感覚でいますね。
樋口 それを自然体でできてしまうところに洋祐の人間性を感じるよ。ご両親の愛の賜物かもしれないな。
猿田 でも格闘技を何のためにやっているのかと問われたら、第一は自分のためで、本当に自分が好きでやっています。誰かのためにやっているとは言えないけれど、それが誰かのためになるのならばすごく嬉しいです。だからプレッシャーはないですね。
樋口 2つも連続でタイトルを獲っても区切りをつけず、2年のブランクを経て先日復帰戦に挑戦したんだよね。
猿田 怪我やダメージで出場できない可能性もみえる年齢になりましたが、最後まで自分を表現しようと思っています。やらない理由はいくらでも作れるのですが、それを言ってしまうと新しいことにチャレンジできなくなってしまうので。世界で戦う権利をもっている限りは最後まで、と思っています。

■花まるっ子たちへのメッセージ
樋口 後輩である花まるっ子たちに、メッセージをお願いします。
猿田 花まるに通うきっかけは母が連れて行ってくれたことでしたし、格闘技を始めたきっかけは高校卒業間近にたまたま手に取った格闘技雑誌で自分の家の近くにジムができることを知ったことでした。何事も挑戦・継続するからこそおもしろさに気づけたり、成長して視野が広がったりするのだと思うので、最初から向き不向きを決めつけず、少しでも興味が湧いたり誰かにすすめられたりしたら、どんどん挑戦してほしいと思います。

樋口 修斗やONE Championshipでの挑戦を間近で応援させてもらえたことも、いまも生き生きと挑戦し続ける洋祐を応援できることも、本当に嬉しいよ。
猿田 ありがとうございます!

 

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