【花まるサマースクール2023】タッキー/小島健🌻

【花まるサマースクール2023】タッキー/小島健🌻

2023年度の花まるサマースクール、現場からのレポートをお届けします!
今回は、みどり市エリア (群馬県)の責任者を務めた「タッキー」のレポートです。

 


自分で感じる。考える。決める。

今年度もサマースクールに参加しました。花まるの野外体験は “スクール”。必ず“学び”があるということです。楽しいだけではなく、うまくいかないこと、いやなことがあるかもしれません。それも経験。それを乗り越えて強くなると考えています。そのため、私が責任者を担当するときは、「楽しいと学びがセット」であることを子どもたちに強く伝えています。 これらは、私が担当したコース「火おこしの国」で出会った子どもたちの話です。


【3年生Aちゃん】あきらめない強い心と決断力
ファイヤースチールをこすり合わせて火花を散らすファイヤースターターという道具を使用したときのできごと。散らした火花をさいた麻紐につけられるか、というチャレンジをした。 1日目、Aちゃんは麻紐に火をつけられなかった。それでも彼女の表情は曇っていない。2日目、彼女は粘り強くチャレンジし続ける。すると、「ついて!」という強い想いが伝わったのか、残り時間15分のところで見事に麻紐に火をつけることができた。嬉しそうにはしていたが、満足はしていない様子だった。1度ではもの足りない彼女。そのあともチャレンジを続けてコツをつかみ、何度も成功させた。あきらめずに挑戦し続けた彼女の強さは、これだけではなかった。

最終日の、代表者による「ファイヤースターターチャレンジ」。チームの代表者が全員の前で、ファイヤースターターを使って麻紐に火をつけるチャレンジをしたときのことだった。 子どもたちだけで話し合い、チームの代表者を決める。こういった子どもたちだけで話し合う時間を大切にしている。Aちゃんのチームは、彼女の苦労、あきらめない姿を知ってか知らずか、満場一致でAちゃんをチームの代表者に決めた。

すべてのチーム代表者が決まり、そのなかから、全体のトップバッターを決める。決め方は立候補。誰がトップバッターをやるのか。なかなか立候補するものは出なかった。 全員が見ているという状況には独特の緊張感がある。始まる前はどんな雰囲気かもわからない。様子をうかがいたくなるのも当然である。そんななか、子どもたちの挙手を待って、待って…。手を挙げたのは、Aちゃん。トップバッターに立候補したのだった。 結果、火をつけることはできなかったが、彼女の粘り強さ、心の強さは、みんなを勇気づけた。


【4年生Bくん】本気だから味わえた悔しさと仲間への想い
ファイヤースターターでの火おこしでは、すぐにコツをつかみ、何度も火をつけることができた。自分ができるようになってからは、苦戦している仲間のところへ行ってコツを伝授する姿も見られた。自分だけでは満足せず、仲間に優しく教える姿は頼もしかった。

代表者による「ファイヤースターターチャレンジ」。彼は当然のように代表者として名乗り出る。何度も火をつけられていたし、自信もあったはず。 しかし、成功させることはできなかった。すると、大号泣。相当悔しかったのだ。それは本気で向き合い続けないと流すことのできない涙だった。

また、サマースクール最終日にはMVPを発表する。彼もがんばっていたが、ずっと一緒に火おこしを続けてきた仲間がMVPを獲得した。すると、「そうだと思ったよー! おめでとう!」と祝福の声をかけていた。仲間と熱く燃えるぐらいに全力で楽しんだ様子が彼から伝わってきた。


ほかにもたくさんの子どもたちの楽しんでいる様子、学んでいる様子を間近で見ました。いろいろな成長を見届けるなかで、より成長するなあと感じるタイミング、それは「子どもたちだけの環境」です。Aちゃんは自分で決断してトップバッターに名乗り出ました。Bくんは同年代の仲間との生活から心を揺さられる経験をしました。


子ども自身が何かを感じ、考え、判断し、ときにはぶつかり合い、ときには肩を組んで喜ぶ。このような経験こそが、今後の成長の大きな糧になっていくと思います。将来自立した人、魅力的な人になれるように、子ども自身の心が動く場、子ども自身が決めて一歩踏み出す場をこれからも用意し続けていきます。


2023年 夏
花まる学習会 タッキー /小島健

 

 

小島健(こじまたけし)/タッキー

花まる学習会(東京東ブロック/花まる学習会アルゴクラブ)

 

🌳花まる野外体験公式サイト
https://hanamaruyagai.jp/

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