2012年8月
「ありがとうございました!」「またどこかで会えたらいいね!」「さようならー!」2泊3日のサマースクールの解散式(当時は解散式というものがありました)。手を振り、何度もこちらを振り返って名残惜しそうに帰っていくAくん。「またどこかで会えるといいね」「将来高校生リーダーとして戻ってくるのを待っているよ」と心のなかでAくんに伝えました。
2019年7月
「覚えていますか? 自分が小学3年生のときに班リーダーをしていただきました!」「覚えているよ!」サマースクール開催前におこなう、参加リーダーへの研修。その研修会場で再会したAくん(高校生リーダー)は当時の面影がないほどに成長していました。挨拶・姿勢・受け答え。もう子どもではなく一人の青年として成長した彼の姿に嬉しさが込み上げました。
2021年4月
卒業生を対象としたオンラインイベントに参加してくれたAくん。チャットでのやりとりでは 「来年は待ちに待った班リーダー(高校生リーダーではなく)としてサマースクールに参加できる!」「花まる学習会と出会えてよかったです!」「サマースクール最高!」など、多くのコメントで盛り上げてくれました。
2022年8月
「1班リーダーの○○です! よろしくお願いします!」とAくんの挨拶。サマースクールで偶然同じコース、同じ宿になりました。コース中、目の前の子どもたちに対して全力で精一杯頑張る彼の姿。10年という歳月のなかで、一人の男の子の成長と葛藤、全力な姿を見て「彼はもう大丈夫。一人の大人としてメシを食っていける」と確信しました。
10年前のキミへ。
「リーダー。帽子がなくなった」「そっかぁ。自分で探してみたんだね。よし! 一緒に探そう!」「ここ(ほかの子のリュックの下)にあったね!」見つかった帽子を被って廊下に駆け出していくAくん。「走るなー!」私の大声が響きました。大丈夫。まず自分で探してみた(チャレンジできた)ことが素晴らしいよ!
「嫌いなキャベツ食べたよ!」「Aが嫌いなキャベツを食べましたー!!」パチパチパチ!みんなに大きな拍手をもらい少しはにかんだAくん。大人になって「嫌いな食べ物ある?」と聞いたら「ありません!」と笑顔で答えてくれたね。
「魚がぬるぬるして気持ち悪い」「両手でぎゅっとすると捕まえやすいよ」「リーダー、やったよ!」と、両手でぎゅっと握った魚を見せてくれたね。そのチャレンジした気持ちは将来にとって大切な一歩になるよ!10年後、班の子どもたちに「みんな。魚の命を食べて、もらって、みんなは大きくなるんだよ。感謝の気持ちをもっておこうね」としっかりと伝えていたね。その気持ちは班の子どもたちに伝わっていたよ。
キミは、人の話をしっかりと聞き、自分事として受け入れることができる。そしてそれを後輩たちに伝えていくことができる。まだまだ困難なことは目の前に立ちはだかるかもしれない。けれど自分を信じて自分の夢に向かって歩き続けていってほしい。きっと素敵な大人になれるよ!
この夏、Aくんに会って話をし、過去のことを鮮明に思い出しました。サマースクールの最後の日、Aくんが「自分が高校生リーダーになろうと思った理由はアルプス(私のリーダーネーム)です」と言ってくれました。「1年生や2年生の子だけでなく、当時3年生だった自分にもしっかりと向き合ってくれて、一緒に探し物をしてくれて、本当に嬉しかったです」「雪国スクールも来年のサマースクールも、絶対にリーダーとして参加します!」
私たちができることは、子どもたちに基準を示し、向き合い、同じ方向を向いて歩くことです。 私たちができることは、子どもたちに基準を示し、向き合い、同じ方向を向いて歩くことです。引き続き野外体験の場が多くの子どもたちにとって成長のきっかけとなるよう全力で向き合っていきます。
花まる学習会 山根大知(2022年)
*・*・*花まる教室長コラム*・*・*
それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。