今年度も残り1か月。あっという間に終わりを迎えようとしています。先日、1年生Kくんの保護者の方からこんなメールをいただきました。
(息子は、)3年生がいなくなって寂しいけれど、新しい1年生が来るのも楽しみ!と言っています。短い1年生でしたが、ちゃんと階段を昇っているのだなと、嬉しく思いました。
小学1年生に限らず、文字通りあっという間に過ぎていった一年間でしたが、子どもたちが成長するスピードは例年と大きく変わらず、むしろ大人たちが置いていかれる、そんな一年だったなと感じています。
私自身も時差出勤が始まり、自宅のある新小平駅からゆったり電車のシートに座って教室に向かうことも増えました。以前は立ちっぱなしだったのですが、こうも座っていられるなら…と一念発起し、ある資格の勉強を始めました。移動時間を有効活用できるようになり、同じ24時間なら予定を組んで充実した時間を過ごそうと思えるようになったのは本当に大きな収穫でした。数か月勉強し、試験当日。そもそも「試験」が久しぶり過ぎて、開場の1時間以上も前に到着。コロナ対策のため会場内で待つことができず、寒空の下ベンチに座って問題集を開きラストスパート。なんだかワクワクしてきたぞ、と思ったときにふと学校の定期テストを思い出しました。「テスト」と聞くと、どうもいやな感じがしていました。評価され、○か×がつけられる。気にしなくていいのに隣の人の点数が気になる…。みなさんも経験があるのではないでしょうか。
しかし、この日に私が感じていたのは確かに「ワクワク」でした。テストを受けるという意味では同じなのに、いやな感じ一つせず、むしろワクワクしている自分に気がついたのです。なぜだろう、と考え、一つの答えにたどり着きました。「準備をするとテストって楽しみになるんじゃん!」(もちろん定期テストだって、ちゃんと事前に予告がされていて、出題範囲も丁寧に提示されていました。恥ずかしながら、部活やらなんやらを理由に十分な準備をしていなかったのです。)いままでなんとなく揺られていた車内だったけれど、数か月勉強した成果の発表会ととらえると気持ちが楽になり、なんだか楽しみになってきたのです。これは教室で子どもたちに伝えよう!と手帳にメモ。自分の試験はというと…始まってみるとわからない問題も多く、最後まで粘りに粘って何とか合格。大学受験の合格通知書ぶりにもらった「合格」は、やはり嬉しく、励みになりました。子どもたちのまわりにいる大人の一人として、一緒に成長する背中を見せていけたらな、と思っています。
HIT(ヒット / Hanamaru Intelligence Test)・花まる漢字テストの開催一週間前の授業にて、教室の子どもたちに「この前、まさや先生も試験を受けてきたんだけど、準備をした発表会って考えると試験が楽しく思えたんだよね。」と話しました。すると授業後、2年生Hくんのお母さまからこんな報告が。
(漢字テストに向けた練習の件)Hが、『いいこと聞いちゃった。ふふふ。』と言っていました。笑
Hよ、今日のHIT・漢字テストは楽しめたかな?丸付けをして返すから待っていてね。ふふふ。
花まる学習会 植田雅也(2022年)
*・*・*花まる教室長コラム*・*・*
それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。