2022年8月のAtelier for KIDs@ オンライン!のキロクです。
今回は、夏休みスペシャル企画“親子で”学びながら創作!テーマは、「和紙deランプ」でした。
▼活動の様子を動画でご覧いただけます
※これまでのすべての活動記録は、公式サイト「活動のキロク」からご覧いただけます。
光を使った作品制作は、これまでも何度かアートプロジェクトで扱ってきましたが、今回は和紙でオリジナルランプを作ります。
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いつも授業の最初に確認する「ARTのとびら きはん」
この3つの哲学は、もうみんなのこころに育ってきています。
(保護者のみなさまも、この環境を守るために大切な視点を学んでくださっています。ありがとうございます。)
つぎは、みんなで画面を使ったインタラクティブアート!
薄いお花紙の感触、しっかりとした土佐和紙。和紙の繊維の様子、ざらざらとした手触り、くしゃっとなる時の感覚、千切るときの音。
和紙を手で“千切る”ことには、五感を十全に使って、頭と心を同時に動かしながら、試行錯誤する楽しさがあります。
風船はふくらませてみると、丸くて球体で、弾力があって、表面はツルツルしている…。
素材を使ったゲームを通して、子どもたちは身体で、体験としてそれらの特徴を掴んでいきます。
いよいよ創作タイム!
先ほどちぎった和紙を、水に溶いた木工用接着剤につけて、膨らませた風船に貼っていきます。いわゆる「張り子」の技法を使って、なかが空洞の丸い立体を作っていきます。
360度、すべての面に、すきまをあけることなく「しきつめて」いく。どの形の和紙をどこで使うか、判断しながら丁寧に貼っていく子もいれば、感覚的にしきつめていく子も。
同じ作業の繰り返しは、「よりうまく」できることが自分でもわかりやすく、達成感を感じられるものです。集中して、没頭する、気持ちのいい時間が流れます。
成型ができたら、色とりどりのお花紙の出番です。好きな形にちぎって(または切って)イメージを膨らませながらデザインしていきます。色と戯れるように、絵具を塗る感覚で貼っていく子もいれば、ストーリーを創造しながら、テーマを持って作り込む子も。
表現・作品制作は、自分との対話です。何か具体的なものを作ろうとする必要はありません。
それぞれの、いまの関心に向かってやり抜くことができると、気持ちのいい達成感が生まれていきます。
やってみたいと思ったことを、ダメと言われずに、没頭する。制作中、じゆうを担保されていれば、子どもたちは「どうしたいのか」と自己と対話し続けることができます。
そうすることで、「自分なりの世界観=何を美しいと思うのか」を自覚していきます。
そしてそれは、「自分の思いを大事にする」「答えは自分のなかに必ずある」という確信を、子どもたちのなかに育てるのです。
誰かの気にいるような正解を、自分の外側に価値基準を求めるのではなく、自分がどうしたいのか、に耳をすませる。
やらされる何かをやる人、ではなく、自分がやりたいことを知り、何かを生み出していける側の人であれますように。
作品制作に向き合ったあとは、素材の特色を生かした作り手の感性や知性の共有を言葉にして伝え合います。
オトナの言う通りでもない、「自分がこうしたい」ということを貫く経験をたくさん積んだ子は、自分を信じて、自分でしあわせを決められるのです。
誰かの気に入る正解を求めるのではなく、自分と対話することを通して、答えは必ず自分のなかにある、という軸を培っていく。
今回は、大人も子どもも対等ないち表現者として向き合い、「何が美しいと思うのか」を軸にお互いのインスピレーションを感じながら、自分との対話ができたのではないかな?と思います。
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しばらく乾かして、風船を取り外し空洞の部分にペンダントライトを入れると、オリジナル照明のできあがりです。
部屋を暗くすると、そこには光のアート。幻想的な空間ができあがります。
おうちでの観賞会では、光が灯ったときの様子を想像しながら、お互いの作品をどんなふうに感じるのか、親子で伝え合ってくださいね。それぞれの「いま」が反映された作品を、丸ごと認め合う時間になるはずです。
(2022/8/21実施)
▽▼保護者の方より▽▼
届く素材の封筒がいつもより大きいのを見て興奮している様子がおもしろかったです。当日は私がハケを用意していたのですが、初めて触るハケに興味が集中して、「絵の具?」「あっ!アクリル絵の具を使うの?」と質問が止まりません。親と一緒なので『ママやって』が久々に発動するのかなぁと思っていたら「それぞれ作ろうね!」と言われ、自分の作品は思うように作りたいという強い気持ちを感じました。
性格が出ているのか和紙を貼るときにハケを使いながら丁寧にシワを伸ばして貼っていたのでデザインに取りかかれないタイミングでお手伝いする?と聞くと一瞬考えてから頷きました。きっと葛藤もあったと思いますが意地を張らずに手伝ってもらいたいと言えたことも、成長したなと感じました。
授業が終わってからも延々と作品づくりは続き、色紙の縦と横の裂いた感じが気に入ったようで、たくさんランプに貼っていました。親としては緊張の瞬間だった風船を取り出すときも上手くいってホッとしました。夜はランプの灯りに包まれて眠りにつきました。今月も楽しい時間をありがとうございました。
2年生の母
おうちARTは基本的に母と一緒にやっているので、これまでほとんどかかわっていない父と参加しました。インタラクティブARTの時間にRinせんせいから「風船を伸ばしてからふくらました方がいいんだけどどうしてだと思う?」などの質問があり、娘は手をあげはしませんでしたが、自分なりの意見を答えていました。以前アトリエRADIOで「まちがいを恐れてしまう」ことを取り上げていただき、発表することにこだわらず自分のなかに意見があることを大事にする、と聞いてはっとなりました。今回は「同じ意見だったね」と意見を持てたことを認める声がけができました。
2年生の父
制作は、親子で1つでもそれぞれ1つでもいい、と言われて「それぞれにしよう!」と早々に決めていたので、自分の作品を作り上げたい気持ちを感じました。緻密に土佐和紙を貼っていく父と、「すき間がないように貼ってね」という先生からのお話しを聞いているのかいないのか、大きめの紙で大胆に貼っていく娘。性格が出るなあと思って見ていると、あっという間に貼り終えて「できました」と先生に見せた作品はところどころ穴があいていて、思わず「穴がないかチェックしようか。ここは穴があいてない?」と言ってしまいました。すると娘は「これでいいの!」と少し怒った様子で、しまった、口を出してしまった…と思い、そこから離れることにしました。できあがった作品は、すべてのお花紙を貼ったようで、どんなイメージで作ったの?と聞くとイメージはなくて思いつくまま貼ったそうです。そのほうがきれいな重なりができると思ったからだそうです。父は制作に没頭していて、あまり娘の様子がわかりませんでしたが(笑)
娘のは制作当日に風船がしぼんでしまい(乾いていたからよかったのですが)簡単に風船が取り出せましたが、父のはしっかり風船に貼りついていました。どうやって外そうか、と風船に切り込みを入れたらミシミシメリメリと聞いたことのない音がして風船がしぼんでいったのが衝撃でした。風船とライトをテープでくっつけるのに二人とも案外苦労していましたが、できあがった作品はどちらも美しく、癒されました。楽しい時間をありがとうございました。
今回は年中の娘も参加できるので、みんなで楽しみにしていました。が、風船を膨らませた直後に小競り合いが勃発。ハラハラしたのですが、作品づくりが始まると、それぞれの世界に没頭できました✨
息子は相変わらず無心で作品づくりに取り組み、途中お花紙がくっついて広げられないとブツブツ言ってましたが「まぁ、これでもええか。お母さん、次は広げて渡してくれる?」と、現状を受容しながら対策を考えたようです。すごい。。それからは、お花紙を全部使い切り、ボンドの水溜まりができるくらい一生懸命ペタペタやっていました😊
年中・1年生の母
4歳の娘もすごく集中して、ほぼ一人で創り上げました。お花紙を手ですりすりしながら貼るので紙がボロボロになっていたけれど、本人はそんなこと気にもとめずに色を重ねていました。ライトをつけるとそのボロボロっとなっているところに色のコントラストが出ていい感じになってます✨✨自分たちが作ったライトを見るたびに誇らしそうな顔をしてます。実用的な作品もいいですね♪
毎回感じるのですが、見守る、余計な口出しをしないって難しいですね。。お恥ずかしい話ですが、日常生活でも余計な口出しをしてしまうことが多々あります。この時間は子どもはアートを楽しみ、私は見守る大切さを学ばせてもらっている感じがします。また来月も参加できたらと思います😊いつもありがとうございます。
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「ARTのとびら」とは?
教育者でありアーティストである”Rinせんせい“こと井岡由実が主宰する、花まるグループの芸術部門。
2009年から継続している子ども向けワークショップAtelier for KIDsは、「作品を作る」こと、また「鑑賞する」ことを通して、子どもたちの持っている唯一無二の個性があらわれる環境を整え、それをまるごと認め合うクラス。
「ART×教育」をテーマに、教育者の視点でデザインしたレシピを用いて、アーティストのこころで、子どもたちの「非認知能力」を育成します。
子どもと関わる大人に向け、大人自身が自分と対話する時間を通して、自分らしい子育てや教育、生き方に向き合うことを目指すワークショップや講演も実施しています。
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