【花まるコラム】『成長を見守る一人として』高野優太朗

【花まるコラム】『成長を見守る一人として』高野優太朗

 新しい学年となってこれからの生活を楽しみにしている子や、ちょっぴり不安そうにしている子も見られます。そんなたくさんの気持ちが溢れる教室で、子どもの成長を感じたエピソードを、いくつかお話しいたします。

 年長になったMくん。「できた!」も、「みる、きく、しせい、はい、えんぴつ」も、何もかもが初めてです。緊張しているMくんに対して、周りの子どもたちはとても優しい空気をつくってくれました。「あ!初めての子だ!」と歓迎し、花まるの先輩として、聞くときはしっかり聞く、やるときはとことん楽しむといった姿勢を見せていました。花まるでは思いっきり楽しんでいいんだ!という雰囲気を、私たちだけでなく、子どもたちも一緒につくってくれました。最初は緊張していた様子のMくんでしたが、徐々に笑顔が増えてきて、次の授業からはハキハキと元気に「できた!」と言うようになりました。

 6年生になったKくん。いままでずっと先輩がいた状態でしたが、これからは最高学年です。そんな彼は、少しおっちょこちょいな性格の持ち主です。「いよいよ6年生だね!」と言うと、「別に普通だよ」と答えていましたが、この子にもしっかりと最高学年としての成長を感じられる場面がありました。雨が降っている日の授業のには、多くの子が傘を持ってきていました。こういった日は声をかけても傘の忘れ物が出ることがありますが、帰る際にKくんが「おーい!絶対に傘を忘れちゃダメだぞ!!」と後輩たちに向けて声かけをしてくれていました。6年生なので、いろいろがんばりたいと作文で書いていた彼は早速、最高学年としての姿を見せていました。元々、発信力に長けている子でしたが、最高学年という意識がより、彼の強みに磨きをかけていました。しかし、そんなカッコいいところを見せたうえでも、彼のおっちょこちょいぶりは発揮され、教室を出たはずの彼が5分後に戻ってきました。「どうしたの?」と尋ねると、少し恥ずかしそうな様子で「傘を忘れました」とのこと。まだまだ子どもらしい部分も残っていて、これからの成長がさらに楽しみになりました。

 今回挙げた2人は、年長と6年生でしたが、どの学年にも共通しているのが、成長の機会は必ずあるということです。 「今日はサボテン(計算教材)のタイムが2秒早くなった!」「今日はいやなことがあったけれど、花まるの仲間と勉強したら楽しい気持ちになった!」など、内容は人それぞれです。 4月は、はじまりの季節。新しい環境で、学び、経験を積んでいく。日に日に子どもたちは、たくましく成長していきます。コミュニケーションや意識の変化が見られるのは、子どもの成長を見守る一人として、とても嬉しい限りです。

 一人ひとりが、「自分の力でできた!」「今日はこれをがんばれた!」と毎回の授業で感じられるような教室を目指していきます。

花まる学習会  高野優太朗(2021年)


*・*・*花まる教室長コラム*・*・*

それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。

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