今どうしてる?卒業生物語 【No.12】柿花尚吾さん

今どうしてる?卒業生物語 【No.12】柿花尚吾さん

花まる学習会・スクールFC卒業生のその後に迫るインタビュー!
第12弾は、高濱の教え子で、現在はスクールFC南浦和校で国語科を担当している卒業生にインタビュー!

ようこそ先輩! 柿花尚吾さん
【スクールFC】南浦和校(小5~中3)
        スーパー算数 → 高校受験コース
【進路】公立中学校→さいたま市立浦和高等学校→國學院大學
【現在】スクールFC 国語科講師
【監修本】『おもしろ例文で身につく! 15才までに覚えたい言葉2000』(永岡書店) 発売中!

 



高濱 教え子が「メシが食える大人」になるということは最大の喜びの一つなのだけれど、直接的に仕事を継いでくれる喜びはひとしおだよ。尚吾はマイワールドで生きているような生徒だったな。あの頃はどんなことを考えていたの?
柿花 おもしろいことしか考えられませんでした。授業がつまらないと、まったく聞けなくて。聞いていることがあったとしても、この授業をどう茶化してやろうかということばかり考えていました。
高濱 クラスに1人いると盛り上がるタイプだな。
柿花 先生にとっては、疎ましい生徒だったと思います。
高濱 ははははは(笑)
柿花 でも高濱先生の授業は、お世辞抜きで集中できないことがなかったです。
高濱 先生をするということは、子どもたちを惹きつけ、おもしろいことを提示し続けることだと思っているよ。

■スクールFCとの出合い
柿花 小学5年生のときに友達のお母さんが「いいところがあるよ」と連れて行ってくれたのが、高濱先生のスーパー算数でした。
高濱 FCで印象に残っていることはある?
柿花 花まるのあたたかさがあるところです。FCの先生方は授業をするだけじゃなくて、生徒としっかり対話をしてくれました。生徒と全力で向き合って、なおかつ受験教科の専門性を兼ね備えた学習塾は、なかなかないと思います。
高濱 花まるグループだからこその特徴だな。
柿花 その魅力に惹かれて、私だけでなく、みんな戻ってきています。いま南浦和校で講師をしている24名中、20名は私の教え子です。
高濱 そうなのか!彼らが第二の柿花先生に…
柿花 すでに、そうなってほしい頼もしい講師がいます。
高濱 それは楽しみだな。当時の先生たちのことは、覚えている?
柿花 はい。国語を教えてくださった仁木先生は、授業がまるで劇のような…役者のような方でした。おもしろくて、あっという間に授業が終わってしまって。数学の松島先生は、博士のような方で、圧倒的な解き方のスマートさにいつも魅了されていました。また、思考回路を見破られるというか、どこにつまずいているのかを瞬時に見つけて「こうだと思っているでしょう?こう考えてみて」と言ってくれて、やってみると解けちゃうんです。英語の大中先生は、お兄ちゃんのような存在でした。いま、生徒たちを見ていて、アルバイト講師の存在が意外と重要だと感じているのですが、そういう魅力に近いと思います。自分に近い存在でいてくださったことが嬉しかったです。

■国語力を支えた「お笑い」と「読書」
高濱 予言的に言いますが(笑)、尚吾はしゃべりで一花咲かせます!最近監修した『おもしろ例文で身につく! 15才までに覚えたい言葉2000』(永岡書店)の内容が秀逸で、国語力が光るのはもちろんなのだけれど、話力もすごいんだよな。声もよくて聞き取りやすいから、ラジオにも向いている。
柿花 口だけで生きてきたので。いまこの状況ではどんなフレーズを選んで話せばおもしろいか、ということばかり考えてきました。
高濱 俺も同じだよ。メシが食える・モテる大人という大きい目標を考えると、その一番のポイントは、笑わせ上手なことにあると言っても過言ではないよな。
柿花 実は、僕の国語力を支えているものの一つは、「お笑い」です。
高濱 お笑いが好きなんだ。
柿花 小さい頃から言葉のセンスで笑いをとれる人に憧れていました。お笑い番組を見るのが大好きでしたし、友達と組んでキングオブコントの予選に出場したこともあります。
高濱 お笑いが人を育てることが判明したな。お笑いに傾倒した人は、おもしろいことにこだわれる人生を歩むということだね。読書もしていた?
柿花 本はかなり読みましたね。小学生の頃、親の本棚で…
高濱 「親の本棚」!キーワードだな。
柿花 わが家では夜の8時頃には寝室に行かされていたのですが、まだ眠くないことが多くて。親の本棚から本を持ってきて、ドアを開けて薄明りを入れて読んでいました。小学1年生でハリーポッターシリーズを読みました。4年生くらいで村上春樹作品を読み始めて…
高濱 4年生で!?すごいな。
柿花 その頃はまだストーリーをしっかり理解できませんでしたが、世界観と言葉選びに惹かれました。エッセイは読みやすかったですね。それから、親父が好きだった椎名誠作品も。高校生になって部活が忙しくなりパタッと読書から離れたのですが、高校2年生の頃、『チーム・バチスタの栄光』(海堂尊・著/宝島社)を読んで、また読書に戻ってきました。人物描写のキレが凄くて。この本に出合っていなかったら、読書から離れたままだったかもしれません。
高濱 尚吾は算数や数学もよくできたけれど、国語が土台として深まっていったことも納得だよ。
柿花 国語はすべての礎ですよね。自分の思いを形にするには音楽以外では言葉しかないと思うので、蔑ろにしてはいけないものだと思っています。

■野外体験の魅力
高濱 国語以外はどうだったの?
柿花 高校では、おもしろいことしかできなくて…他の教科はあまり勉強していませんでした。没頭できたのは、部活のバレーボールと友達のとのおしゃべり、あと、高校生まで続けたボーイスカウトでした。
高濱 ボーイスカウトで野外体験をしてきたのか。
柿花 野外体験は、子どもが自分の力で何とかしようとする環境として、とても大切だと思います。いまは便利なので都会にいれば何となく生きていけますが、何の苦労もない生活では、何もできなくなってしまうのではと思うんです。野外の不自由さに鍛えられたことは、とても貴重な経験でした。

■国語講師としての日々
柿花 国語って、教科書に考え方や解き方が明確に載っていないので、理不尽だと思われやすい教科だと思うんです。明確な解法が確立されていないのならば、それを一から作る、そのことにおもしろさを感じてこの道を選びました。どうしたら解き方のプロセスを明確に、わかりやすく伝えられるかを考えることが本当に楽しいです。
高濱 ものすごいものを世の中に出すかもしれないな。すでに「柿花先生がいるから南浦和校に行きたい」という声を何件も聞いていて、本当に楽しみだよ。こうやって話せるのも、いまのうちかもしれないな。
柿花 ありがとうございます!いつまでも、高濱先生の教え子です!

 

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