猛暑が続き、もうすでに夏まっただなかといった状況。4月から新たに気持ちを切り替えてスタートした2023年度の授業も、あっという間に1学期を終えることとなり、もう夏休みに突入かと感じています(まだかまだかと待ち望んでいる子どもたちも多いと思いますが)。
つい先日は小学生クラスにて、1学期最後の特別授業「国語大会」をおこないました。感染症対策も緩和され、5月におこなった「算数大会」に続き、チーム一丸となって問題に取り組んでいくこの大会。コロナ以前から常に大切にしてきた「チームワーク」を意識した授業内容が今年度から完全復活したことを、本当に嬉しく思っています。通常授業とは異なり、1~3年生、4~6年生の縦割りのチーム編成で、普段とはまた違った子どもたちの一面を垣間見ることができます。
今回の国語大会で驚くほどの成長を感じたのは、低学年クラスチームのお兄さん、お姉さん役の3年生の子どもたちでした。とあるゲームに取り組んでいるときのできごとです。ひらがな・カタカナの50音表を使い、文字を組み合わせて単語を作っていくゲーム。文字は1回ずつしか使えません。最終的により多くの文字を使ったチームの勝ちというルールです。思いついた単語を発表していく係、その単語をメモして、使用した文字を50音表にチェックしていく係と役割分担します。最初のうちは、1年生や2年生も自信満々に自分の知っている単語を発表していたのですが、使用できる文字が限られてくると、言葉が思いつかず困り顔で大苦戦。1年生のAくんが、どうしようもできず困っていたときのことでした。メモ役を担当していた3年生のBくんが
「よく頑張ったね。ここからは、メモを取る役と言葉を考える役を交代しよっか」
と助け舟を出しました。ドギマギしているAくんを見てさらに、
「メモを取る役も本当に大切だから、やってくれるとチームの助けになるよ。お願いするね。任せたぞ」
と最高のフォロー。その光景を目の当たりにしたとき、私は本当にここ最近で一番の衝撃を受けました。というのも、以前のBくんは、俺が俺がの唯我独尊タイプ。年中クラスの「風船」で遊ぶ特別授業では、手に抱えきれないほどの風船を独り占めしていた懐かしい記憶が残っています。自分が楽しみたいということがすべてであった彼が、こんなにも成長したのだと、忘れることのできない瞬間となりました。ほかにも、別の3年生が、大会のMVPを取った2年生の「ここが本当にすごかった」ことをみんなに伝えながら手放しで称賛する姿なども見ることができ、確かな成長を感じ取られた時間でした。
暑い夏を経て、また一段と成長した子どもたちに会えるのを楽しみにしています。良い夏休みをお過ごしください。
花まる学習会 春木満之(2023年)
*・*・*花まる教室長コラム*・*・*
それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。