【花まるパパ社員のわが家の自由研究①】『相澤家の場合』相澤樹 2024年4月

【花まるパパ社員のわが家の自由研究①】『相澤家の場合』相澤樹 2024年4月

 「先生、お嬢さんに対してはやっぱり花まる式の子育てですか? でたくさん褒めて認めて。お嬢さんのことを怒られたりすることはないでしょう?」
とよく面談なんかでお母さまに聞かれたりします。できればそうしたいのですが、不思議なもので、どうもわが子のことになると、そううまくいきません。おそらく、私だけではなく意外と教育に従事する多くの方も同じような悩みを持たれることがあるのではないでしょうか。
 花まるメソッドの大きな特徴の一つは、子ども自身が「やりたくなっちゃう」ように導いていくことだと思います。預かる生徒をよく観察し、その時々によって励ます声かけをしたり、適当なサポートをしたりその子が必要とする最善策を選択するのです。もちろん、優しさ一辺倒ではなく、時に甘えを許さない姿勢を見せることもあります。
 その対応をするために求められるのは、経験値という時間がかかるものを除けば「冷静さ」と「寛容さ」だと私は考えます。私自身も、教育界に身を置き27年。花まるで18年のキャリアを重ね、多くの子たちに鍛えられ、対応力や引き出しという部分においては同年代の他業種に従事する男性より、それは豊富にあるとは思います。だから「わが子に対してもいままでの経験を活かし『良い導き方』をしたい」という思いが芽生えるものです。
 
 たとえば「『早くしなさい』を言わない。子どもが『早くやりたくなっちゃうように』ポジティブな言葉をかけよう」と誰に言うでもなく、当時、そんな子育てがしたいと、心に秘めた一つの目標がありました。
 そして、いま、小学1年生になった娘に対しての実態は……。「早くしなさい!」めっちゃ言っています。
 この前、数えました。朝に関しては「寛容さ」なんて綺麗ごとを言っていられませんが、その日だけは「冷静さ」だけキープして、自分と妻の「早くしなさい」をカウントしたところ驚愕の数字が。
 起床から着替えまでの間に「今日は何を着ていくの? 早く決めなさい」「ほら、早く着替えて!」「グズグズしないで!」「いつまでその格好でいるの!」「まだ着替えてないの!?」「早くしなさい」に相当する類似の言葉を含めて、私4回、妻6回。
 着替え後から学校に出発するまで。「早く(朝食を)取りに来て!」「早くごはんを食べて!」「早く歯みがきしなさい!」「ほら、終わったら早く『あさがお』『サボテン』始めなさい!」私12回、妻11回…。合計、朝だけで33回。(ちなみに妻も花まる学習会に務めて16年。現役で教室長もやっています。)おそらくカウントしきれていないものもいくつかあるでしょう。そして、娘が家に帰ってきてから寝るまでの間にも怒涛のごとく「早くしない」を言いまくっています。もちろん、言いたくて言っているわけではありませんが、「早くやりたくなっちゃう」ような仕掛けは頭から完全に抜けています。
 とはいえ、これはまぁ出発しなければいけない時間が決まっている以上、早くしなければいけないことはあるし、我々も仕事に出発する時間との戦いなので、もう、家庭をつつがなく営んでいくための共同作業! と割り切ります。

 問題は学習面です。これも「先生のお子さんは上手に勉強を教えてもらえるのでしょう」とよく言われますが、これもまた、まったくそんなことはありません。預かっている生徒がどんなに問題を間違えようと「ОK! もう一回一緒にやろう!」と何のストレスもなくいつまでも付き合えるのですが、わが子となると……。
 「あのさ…さっきも言ったよね。えっ!? 何 で? 何でそうなるの!? だから、ほら! もう一回読んでみなさい! あ~もう、消すのも汚いし!!(ガミガミ……)」
涙をこらえながらふてくされる娘を見て「もう、いいです。勝手にしなさい、知りません」
……こうやって字に起こすとひどいものですね。しかし脚色するでもなく、こんなものです。
 もちろん、大事な一人娘ですから心から愛しています! 素直だし、頑張り屋さんだし、あさがおとサボテンは、1回「早くしなさい」と言えばやってくれますし。しかし、そのあさがおの字が汚いと「イラっ」として、小言が飛び出す。本来、「トメ・ハネ・ハライ」はそこまでこだわらず、正しい鉛筆の持ち方、正しい姿勢、適度なスピードで書くことを目的としていることは骨の髄まで沁み込んでいるはずなのに……。なぜか「そこ、ハネてないよ」とついつい口をついて出てしまう不思議。
 さて、そんなわが家の生命線は、身内びいきと思われるかもしれませんが、やっぱり花まるです。娘の自己肯定感が下降線をたどらないのは、週に1回、良質な言葉のシャワーを浴びられるからだと思いますし、親としても外での頑張りを伝えてくれる先生がいるおかげでリフレッシュされています。結論としては、やはり学習系は基本的に、外にパイプを作っておくと子も親も精神衛生上いいというところでしょう。わが子はたくさん、花まるにお願いして、私は預かる生徒の肯定感を存分に高めていけるように努めます。

花まる学習会 相澤樹

 


*・*・*花まる教室長コラム*・*・*

それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。

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