2023年度の花まるサマースクール、現場からのレポートをお届けします!
今回は、倉渕エリア (群馬県)の責任者を務めた「はなび」のレポートです。
パックのなかの想い
「いよいよはじまる…」「無事に完走できるだろうか…」どれだけ準備をしても、そんな不安が湧き出てくるサマースクール前。
しかし、始まってしまうとあっという間で、最終日の8月22日に子どもたちを見送ったあとにはやりきった達成感以上に、寂しさを感じていました。
宿泊させていただいた宿の方も同じことを感じていたようで、一緒に子どもたちを見送った際に「終わってしまいましたね…」と目を赤くしておられました。
多くの子どもたちが倉渕の自然のなかで遊び、笑い、挑戦した1か月。台風などで天候が心配されることもありましたが、無事に予定していたコース・行程をすべて行うことができました。
倉渕の地では、「森遊びの国」「River探検隊」「サイエンス王国」「親子でサマースクール」の4コースを開催しましたが、どこのコースでもそこでしか味わえない経験をする子どもたちの表情を見ることができました。
森遊びの国では、道具が何もないところから、一から遊びを作り出して泥だらけになって遊んでいる様子が。River探検隊では、流されそうになるほどの急流に「ここは流れが速いから気をつけて!」とまわりの子に声をかける様子が。サイエンス王国では、試行錯誤の末に空を飛んだ気球を見て歓声が上がる様子が。親子でサマースクールでは、はじめての川遊びや火おこしをお父さん・お母さんたちと楽しむ様子が。楽しそうな顔、挑戦している顔、驚いた顔…。切り取ってお伝えしたいエピソードはたくさんあり、いくら時間があっても足りないと思うほどです。そんな姿を近くで見られるのはなんて幸せなことだろうと毎年感じています。
あるコースで、1年生の子が「着替えが見つからない」と私に言いに来たことがありました。着替えが入っているであろうその子の大リュックは口が開いていて、自分で探してみたけれど見つからなかったことがわかります。
「もう1回、一緒に探してみよう」そう伝えて一緒に探してみるとあっさり着替えは見つかったのですが、リュックのなかに入っていたパッキングされた服が私の心に残っていました。
子どもたちが寝静まりリーダーたちとのミーティングを終えて寝る前、娘の写真を見たときに、なぜあのときの洋服が心に残っていたのかがわかりました。子どものリュックのなかには、離れた地で応援しているお父さん・お母さんたちからの「めいっぱい楽しんでおいで」というメッセージが込められていることに気づいたからです。
「2日目は外で活動するだろうから、思いきり汗をかいてもいいようにこの洋服にしよう」
「パジャマはこれが着やすくて、寒くなりにくいかな」
「うちの子、下着を入れ忘れそうだから、お風呂セットのなかに下着も入れておこう」
リュックの中身一つひとつを見てみると、親元を離れて挑戦する子どもたちが安心して、そして元気に活動できるようにという想いも一緒に入っていることがうかがえます。私たちが子どもたちと初めて会うのはスクール当日ですが、ご家庭ではその何日も前から準備をして、ようやくやってきた当日であるということ。サマースクールでの2泊3日、子どもたちはご家族の想いを受け取って思いきり楽しみ、挑戦し続けました。
サマースクールでは「楽しかった」だけでなく、大変だった、辛かった、寂しかったなど、子どもたちにとっては嫌な気持ちを経験することもあります。その経験も宝になって、子どもたちの将来を彩ってくれると信じて送り出してくださった保護者のみなさまに、改めて感謝の気持ちを申し上げます。ありがとうございました。
2023年 夏
花まる学習会 はなび/柴健太
🌳花まる野外体験公式サイト
https://hanamaruyagai.jp/