【花まるコラム】『一歩踏み出して』小島健

【花まるコラム】『一歩踏み出して』小島健

 2年生男子Aくんのお母さまからメールが届いた。

いつもアルゴが大好きで「僕は考えることが大好き!」と豪語するAを見てアルゴのおかげだなぁ〜としみじみ思う今日この頃です。

さて、アルゴカップにエントリーするにあたりAが少し気になる発言をしたので先生のお力を借りたくて連絡しました。

「僕はどうせ勝てないから出たくない」というのです。話を聞くと
「みんな20点以上30点以上とれるけれど、僕は最高でも18点くらい。勝てないから出ない」
というのです。
「お母さんは出ることに意味があると思うなぁ〜」と伝えたら、出ること自体は了承してくれたのですが…。うまく「どうすれば勝てるようになるかを考えること」とか「勝てなかったとき、次をどう考えるのか」を伝えることができませんでした。先生から背中を押してあげていただけたら嬉しいです。

 翌月に予定している花まるアルゴカップ(アルゴゲームの塾内公式戦)。花まるアルゴ全校舎の子どもたちがお茶の水教室に一堂に会し、アルゴゲームの大会に臨む。
 楽しみにしている子、ワクワクしている子はもちろんたくさんいる。普段とは異なった雰囲気なので緊張したり、不安になったりする子もいる。それをも乗り越えて真剣勝負をすることで、たくましく成長していく。
 そして、真剣勝負だからこそ、本気で喜び、本気で悔しがる。涙する子もいる。楽しく思考力を身につけるだけではなく、強い心、豊かな心を育むことにもつながる大会であると考えている。

 メールがあったその日が授業だったため、私は本人と話をした。
 Aくんは負けず嫌いで間違いをいやがる性格。自信がないとなかなか一歩を踏み出せない。授業中のアルゴゲームではよく考えられるけれど、一つ決めるまでに時間がかかる。1年生の頃は「アタックしましょう!」と講師から声をかけられて勇気をふりしぼり、 なんとか一つアタックをしていた。
 2年生になり、最近は成長が見られていた。授業中の発表の際は手を挙げて答えている。マジカルスティック(マッチ棒パズルのような教具)の答えが数パターンある問題に対しても、間違いを恐れずにとにかく手を動かして考えている。合っているかどうかを怖がって手を動かせなかった1年生のときよりも格段に成長していた。彼にはそのことを伝えた。するとその日、お母さまからメールが届いた。

本日は学校で運動会があったため、かなりバタバタでした。Aとゆっくりするのがお風呂の時間になってしまい…疲れてグッタリですぐにでも寝たい雰囲気のなか、
「タッキーと何かお話しした?」
と聞くと、突然キラキラの目になり、
「タッキーがね『アルゴカップ、頑張ろう!』って言ってくれたの!『Aは1年生のときと比べたらすっごくできるようになっている』って!僕は絶対正解を答えたいから時間内に言えないんだよ。間違っているかもしれない答えを言うのがイヤなんだよ。だから点数がとれないんだ。みんなのヒントにもなるからアタックして言わなくちゃいけないんだよ。あ〜でも間違ってるかもしれない答えは言いたくないし〜」
と、自己分析までして葛藤していました。最後には
「けど、アルゴカップは頑張ってみる!」
と、頼もしい答えが!!!

親には絶対できない領域だと思いました。先生に相談して本当によかったです。

 2年生にしてここまで自己分析できていたら大丈夫だろう…(笑)。そう思いつつも、さまざまな葛藤のなか、自分で出場することを決意したAくんのたくましさを感じた。アルゴカップが楽しみである。

 私たち花まるの先生が外の師となり、ご家族のみなさまとは違った角度から話をすることで成長につながることも多くあると思う。お気軽にいつでもご相談ください。引き続き、子どもたちに言葉を届けてまいります。

花まる学習会 小島健(2022年)


*・*・*花まる教室長コラム*・*・*

それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。

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