【花まるコラム】『グリーンランドより、愛を込めて』梅崎隆義

【花まるコラム】『グリーンランドより、愛を込めて』梅崎隆義

 2年生の女の子と先日交わした会話です。
-先生、あのね。
どうしたの?
-この前、サンタさんに手紙を書いたの。クリスマスに欲しいものを書いたの。
ほうほう!なんて書いたのかな?
-それは内緒。でもその手紙を飾っておいたらね、朝起きたらなくなってたんだよ!
なんだって!?きっとサンタクロースが持っていってくれたんだろうね!

 今年もそんな季節がやって来ました。冬休みに大晦日、カウントダウンにお正月。そして、忘れてはならないのがクリスマスですね。ケーキや歌、ツリーにプレゼントとわくわくするものが盛りだくさんです。さて彼女が書いたお手紙はどこへ行ったのでしょうか。

-サンタさんは「ぐりーんらんど」にいるんだよ。
よく知っているね!雪が降るなか、小屋にトナカイと一緒に暮らしているイメージだよね。
-ねえ先生、「ぐりーんらんど」ってどこなの?

 社会科が苦手だった私は、グリーンランドはずばりここだ!と世界地図で指すことができませんでした。授業開始の時間を迎えてこの会話は終わりましたが、どうも気になったままだったのでしっかり調べようと思い立ちました。インターネットのお陰で自宅での調べものができる恩恵にあずかって、自主学習が始まります。

 「『グリーンランド』は北極海と北大西洋の間に位置する島で…」
こういう説明がどうもしっくりと来ないため、とにかくたくさんの資料にあたりました。
「島としての大きさは世界最大。日本列島6つ分の大きさです。グリーンランドより大きい島は、大陸と呼ばれることになります。オーストラリアがそうです。」
「場所が場所なので寒さは厳しく、島の大半は氷で覆われています。グリーンランドの氷床がとけたら、世界の海面が7m上がると言われているほどの量です。それでいて不思議なことに、島の北端の方は乾燥しているために雪が降らず、氷には覆われていないということでした。北の方が雪・氷は多い、という日本の認識が当たり前ではないのです。」
なるほど、ちょっとだけ知識を得ました!誰かに話したくなる、そんな気分です。そこから派生して、雪と氷ばかりのこの島がなぜ「グリーンランド」という名前なのか、と思い歴史を紐解くと、ノルウェーの探検家が命名したことがわかりました。彼ははじめに現在のアイスランド島を発見し、見た目そのままに「アイスランド」と名付けたそうです。しかしながら、名前のイメージから人が住みにくいと判断され、なかなか移住者が増えなかったという弊害があったのだとか。その次に見つけたこの大きな島は、ここにこそ人が多く住むようになってもらいたいという願いを込めて「グリーンランド」すなわち緑の島と名付けたという説も残っています。

 いつの間にか、熱中して地理歴史の文章を読みこんでいる自分がいました。こうやってストーリーになっていると、砂場に染み入る水のように内容が入ってきます。さて、サンタクロースはどこへいったのやら。彼女の質問に何でも答えられるように調べ物は続きます。

 本物のサンタクロースは永遠の命をもつ老人で、毎年のクリスマスには世界中の良い子たちにプレゼントを配っていました。しかしながら一人でその仕事をやり切るのが難しくなり、「グリーンランド国際サンタクロース協会」を立ち上げ、世界中から集まるサンタクロース志願者を認定して、クリスマスの仕事を手分けするに至った、という話があります。アジア圏では唯一、日本人の公認サンタクロースがおり、かれこれ20年に渡って毎年のサンタクロース会議に出席をし、クリスマスの手伝いをしているようです。きっとお手紙はグリーンランドに届いて読まれていることでしょう。

 付け焼刃の知識ではありますが、翌週の教室にてグリーンランドとサンタクロースのお話を彼女に披露しました。
-そんなこと知らなかった!でもよかった。わたしね、日本語の下に英語も書いておいたの。

 世界のどこに届いても読んでもらえる工夫がありました。「学ぶ」ということは、教科書をあてもなく開いていくのではなく、興味ありきの世界だということを再認識させられる出来事でした。みなさまに素敵なクリスマスが訪れますように。

花まる学習会/スクールFC 梅崎隆義(2021年)


*・*・*花まる教室長コラム*・*・*

それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。

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