【花まるコラム】『漢字やってちょっとよかったかも 』本田瑠里子

【花まるコラム】『漢字やってちょっとよかったかも 』本田瑠里子

 蝉の鳴き声もすっかり聞こえなくなり、秋の風がやっと吹いてきましたね。先日、火曜日に「みんなで一緒に!花漢特訓!」というイベントを開催しました。花漢(花まる漢字テスト)に向けて、練習するインプットの時間と、テストを用いてどこまで覚えたか確認するアウトプットの時間を交互に行いました。

 花まる漢字テストの前に「なかなか漢字を練習しない」「やらなくて困っている」「やらせようとすると喧嘩になってしまう」という相談を受けることがあります。私も小学生の頃は同じでした。「勉強しなさい」と怒られ、喧嘩は日常茶飯事。「やりたくない」と泣きながら勉強をしていたことを覚えています。いま思えば、親だから「やりたくない」と言っても大丈夫という甘えから出た言動でした。

 当時小学3年生だったAくんは、漢字練習がいやでたまりませんでした。教室に来て、テストの直前に「やってない…」と言って必死にポケット漢字辞典を見ていました。お母さまに話を聞いたところ「家でやらせようとすると喧嘩になって大変で…」とおっしゃっていました。あるとき、お母さまとテスト対策の方法を考えました。〇点以上取れたら、Aくんが最近行きたがっている〇〇に連れていくという約束をすることです。その約束を聞いたAくんは、20日前から漢字練習を自らやるようになりました。

 漢字の練習は忍耐です。はじめから「練習したい!」と思える子どもは一握りです。ある心理学の考え方で、動機付けには「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2つがあるといわれています。動機付けというのは目標に向かって維持するための過程、いわばモチベーションです。外発的動機付けというのは、「ここまで頑張ったらこれ買ってあげるね」等のご褒美をあげるようなイメージです。内発的動機付けは、自主的にやりたいと思って取り組めるものです。外発的動機付けは長続きしないという心理学者もいますが、「漢字練習をしたら、点数がよかった!」「ほめられた!」という外発的動機付けが積み重なっていくうちに、興味や関心が生まれ自分から「やりたい!」と思える内発的動機付けに変わっていきます。

 実際、Aくんは花まる漢字テストでいい点数を取ったことで、学校の漢字テストでもいい成績を残せるようになりました。友達に「すごいな!」と言われ、好きな本もすらすらと漢字が読めるようになり「漢字やってちょっとよかったかも」という作文を書いていました。その後は、花まる漢字テストの前は毎回20日前から練習をするようになりました。

 あと数週間で花まる漢字テストです。漢字練習などでお困りごとがありましたら、お気軽にご連絡ください。二人三脚で、一緒に漢字練習を乗り越えていきましょう!

花まる学習会  本田瑠里子(2021年)


*・*・*花まる教室長コラム*・*・*

それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。

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