私はよく授業後のアナウンスで「何かあればお電話ください!」と保護者のみなさまにお伝えしています。学校でのこと、ご家庭でのこと、教えていただくことで授業でもいろいろな声かけをすることができると考えているからです。
なかでも悩みが尽きないのが宿題です。そもそも何が宿題なのか。わかっていてもどのように取り組んだらいいのか。実際、宿題についてのご相談を多くいただきます。
花まる学習会では、小学1年生から毎日1日1ページずつ取り組む宿題があります。4年生からは、学習体力がついていく時期なのでさらに宿題が増えます。1週間のスケジューリングも教室で伝えていきますが、慣れるまでは子どもたちだけでなく見守ってくださる保護者のみなさまも、悩む方が多くいらっしゃいます。
小学4年生になったAちゃんも、宿題に悩んだ1人。以前、お母さまからこのようなメールがありました。
娘の宿題の件です。
思っていたより多い現実と、学校の宿題との両立が上手くいかず、あと回しにした結果、花まるの授業が近づくにつれて膨大な宿題の量に泣きながらやっています。わからないイライラをぶつけてくるので私もお手上げ、つい怒ってしまいます。 先生から教えていただけると助かります。愚痴のようなメールを送ってしまい申し訳ありません。よろしくお願いします。
後日、Aちゃんと電話で宿題に取り組みました。算数の宿題は図形問題。図形問題を電話で教えるのはなかなか一苦労でしたが、Aちゃんはやり切りました。上の空になりかけているAちゃんを横で鼓舞し、サポートしてくださったお母さまにも感謝です。
17時にスタートし、1時間半かけてやり切ったAちゃんの最後の言葉がとても印象的でした。
「18時半に終わったー!1人でやってたら22時過ぎてたよー!」
これには、私もお母さまも大笑いしてしまいました。
その次の授業でのAちゃんは、宿題をしっかりとやり終えているためか、どこか清々しく、集中して取り組んでいました。難しくても、やりきったことがAちゃんの自信になった証です。
「宿題はやってくるもの!」と怒ることで取り組ませることもできると思います。しかし、そのようなやらされ感のなかで宿題を終わらせていたら、前向きに授業に取り組むことはできなかったでしょう。
子どもたちに寄り添うこと。そして、保護者のみなさまとお子さまについて一緒に考え、悩むこと。子どもたちや保護者のみなさまが「花まるに来て良かった」と思える場所を作ることこそが、私が目指す教室の姿です。
お子さまに関する悩みは、絶えず出てくると思います。いつでもご相談ください。
花まる学習会 濱本和美(2022年)
*・*・*花まる教室長コラム*・*・*
それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。