【松島コラム】『幸せな受験とは』 2022年10月

【松島コラム】『幸せな受験とは』 2022年10月

 スクールFCは「幸せな受験」を実現する塾として、「自学ができる子を育てる」ことを指導理念に掲げています。その指導の3本柱が「思考力・学習法・意識改革」であり、それを実践するための教材や指導法、プログラムとして、思考力プリントやノート法、夏の一大イベントであるサマーチャレンジなどがあります。
 スクールFCは、花まる学習会が創立した2年後の1995年に、南浦和の地で開校しました。もともとは花まる学習会に在籍していた保護者の方からのご要望で始まったという経緯があり、その後も各地域の花まるのみなさまからのご支援によって成長してきた塾です。ですから、その期待にお応えするために、志望校合格はもちろんのこと、スクールFCにお通いいただく価値として「幸せな受験」を理念の中心に掲げて現在に至っています。
 9月25日に開催したオンライン講演会では、「スクールFCの幸せな受験とはなにか」ということを改めてお伝えしました。
 受験は、子どもにとっても親にとっても、人として大きく成長できる貴重な機会です。たとえばそれは、親子の絆の尊さを知ることであったり、自分の限界に挑戦する勇気に向き合うことであったり、切磋琢磨する仲間との友情を大切にすることなどです。私たちは決して耳触りのいいことだけを言いたいわけではありません。結果に対して逃げているわけでもありません。受験というものは、やり方や考え方次第で、また良き師や良き仲間との出会いによって、その後の人生にとって有意義なものになると、多くの卒業生をみて確信しているのです。
 人によって幸せの感じ方は違います。しかしそこには共通の本質があるはずです。今回の講演会では、「幸せな受験とはなにか」について、多くの事例からその本質を抽出してお話ししました。前提にしたことは、幸せとは自分が感じるものであり、主体は保護者であり子どもであること。そして現在の幸せと未来の幸せがあるということでした。もちろん受験の当事者は受験をする子ども自身です。しかしそれと同時に、家族のライフイベントとしてわが子の受験に立ち会う保護者もまた受験の当事者であると言えます。子ども自身の幸せと保護者の幸せ、両者は別個に存在しつつ、分かちがたくかかわっています。保護者にとっての幸せのキーワードは、「①保護者自身の納得、②わが子の幸せ、③親子の成長」と定義しました。そして子ども自身にとっての幸せのキーワードは、「①受験に向かう過程のなかで得る、未来の幸せのための糧、②自己決定と主体性―自分で考え、決め、やり遂げる、③関係性―仲間と味方の存在」としました。それぞれについて、卒業生の言葉や保護者の体験記などを交えながらお話ししました。
 「手段が目的化する」という言葉があります。ある目的を実現するために手段を選んだはずなのに、その手段を実行すること自体が目的化してしまうことです。受験の世界でもしばしば起こります。志望校に合格するために勉強を始めたのに、いつの間にかとにかく勉強させることが目的になり、大人の焦りや不安によって、子どもを追い詰めてしまうことがあります。
 「幸せな受験」という言葉は、そんなときこそ「わが家が受験をする目的は何だったのか?」と立ち戻れる場所になります。子どもを間違った方向に導きそうになったときの道標になります。私たち講師やスタッフにとっても日々の指導の核となる言葉です。
 ぜひこれから受験をするご家庭には、志望校合格とともに「幸せな受験」を目指していただきたいと願っています。それらは相容れないものではありません。ともにかなえることができるものです。わが子の受験に大切な意味を与えてくれるものです。受験生の保護者として目指すところ、進むべき道に迷ったときはいつでもご相談ください。どんなときもみなさまの不安や葛藤を正面から受け止めてまいります。

スクールFC代表 松島伸浩


🌸著者|松島 伸浩

松島 伸浩 1963年生まれ、群馬県みどり市出身。現在、スクールFC代表兼花まるグループ常務取締役。教員一家に育つも、私教育の世界に飛び込み、大手進学塾で経営幹部として活躍。36歳で自塾を立ち上げ、個人、組織の両面から、「社会に出てから必要とされる『生きる力』を受験学習を通して鍛える方法はないか」を模索する。その後、花まる学習会創立時からの旧知であった高濱正伸と再会し、花まるグループに入社。教務部長、事業部長を経て現職。のべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績は、保護者からの絶大な支持を得ている。現在も花まる学習会やスクールFCの現場で活躍中である。

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