先日、スクールFCの拠点校にて、花まる学習会の保護者向け講演会を開催いたしました。講演のなかで改めてお伝えしたのは、「花まる学習会は中学受験のための塾ではありませんが、実は中学受験に向けた学習の土台となる大切な力を育んでいます」ということです。今回は、当日お話しした内容の一部を抜粋してご紹介いたします。
花まる学習会の教材である「サボテン(計算)」や「あさがお(書写)」には、基礎的な計算力や運筆力の育成など、さまざまな意図が込められています。なかでも中学受験において最も大きな効用は、「学習習慣が身につくこと」だと思います。一日一ページ、毎日集中して取り組むことで得られる学習効果は非常に大きなものです。
私が大手塾からスクールFCに移ってきて一番驚いたことは、「朝学習を当たり前のように行っている家庭が非常に多い」という点でした。仕事の世界でも「朝の時間は効率が良い」とよく言われますが、受験の世界では本番直前に「朝型に切り替えましょう」と指導する程度で、多くの受験生は夜型というのが一般的でした。実際、以前の塾で担当していた受験生のほとんどが夜型でした。
しかし、スクールFCでは、花まる時代に朝学習の習慣を身につけ、それを継続しているご家庭が多く見られました。スクールFCの卒業生家庭300人に聞いた「小さい頃からやっておいてよかったこと」のアンケート結果では、4位が「家庭学習の習慣」、5位が「早寝早起き」、同じく5位が「朝学習」でした。これらを合わせると、1位だった「花まる学習会」と回答した人数を上回っています。1位の「花まる学習会」という回答のなかにも、「朝学習」や「学習習慣」が含まれていると考えると、卒業生の保護者の多くが、改めて受験における習慣づくりの重要性を実感していたことがわかります。もちろん、時間を決めて取り組めるなら、朝でも夜でもよいのです。ただ、勉強の妨げになる誘惑が少なく、家族全員が集中しやすい朝の時間帯のほうが、継続しやすいのだと思います。
実際に、花まる学習会からスクールFCに移ってきたある女の子の例を紹介します。彼女は小学5年生になった頃から、授業に集中できない様子が見られるようになりました。特にお弁当を食べた後の授業では、居眠りしてしまうこともありました。彼女は花まる時代から、夜9時に就寝し、朝5時に起きる生活を続けていたため、塾の授業時間が長くなった小学5年生の当初は、どうしても眠気に勝てなかったのです。ご家庭でも塾での様子を気にされていたようなので、双方で話し合い、就寝時間を10時、起床時間を6時にずらして様子を見ることになりました。朝に取り組んでいた塾の宿題の一部は、塾のない日に回し、睡眠時間は削らないように配慮しました。小学6年生になると塾から帰宅する時間がさらに遅くなり、就寝が11時近くになることもありましたが、起床時間は変えずに生活リズムを守り続けました。だんだんと体力がついてきたこともあり、授業中に眠くなることもなくなり、受験が終わるまでこの習慣を崩すことはありませんでした。
このご家庭は受験期であっても「早寝早起き」を「わが家のルール」としてとても大切にしていました。家族全員が朝早く起きて、それぞれが勉強や仕事、家事に取り組むことを日課にしていたのです。たとえば、宿題の丸つけやわからない問題の質問も、その朝の時間帯を活用していたそうです。「親子のコミュニケーションの時間としても、朝は家族が自然と集まれるのでとてもよかったです」と受験後にお母さまが話してくださったことが、いまでも印象に残っています。
何事も習慣にするまでは、保護者の粘り強いサポートが欠かせません。まずは「わが家のルールはこれ!」と家族全員で決めることが大切です。朝学習に限らずご家庭に合った形を、ぜひ夏休み前に親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。
なお、当日の講演の模様はアーカイブ動画として配信しております。詳細はスクールFCのホームページをご確認ください。
いよいよ夏期講習やサマースクールが始まります。ひと回り大きくなった子どもたちに会えるのを楽しみにしております。
スクールFC代表 松島伸浩
\進学講演会のご視聴はこちら!/
■【期間限定公開】スクールFC進学講演会「花まる生、中学受験にどう備えるか~花まるでの学びを、中受準備にフル活用する10のポイント~」(2025/6/8 実施)アーカイブ配信
https://www.youtube.com/watch?v=8a016HSDpeo
(9月末までの公開予定です。どうぞお聴き逃しなく!)
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花まるグループ スクールFC
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🌸著者|松島 伸浩
1963年生まれ、群馬県みどり市出身。現在、スクールFC代表兼花まるグループ常務取締役。教員一家に育つも、私教育の世界に飛び込み、大手進学塾で経営幹部として活躍。36歳で自塾を立ち上げ、個人、組織の両面から、「社会に出てから必要とされる『生きる力』を受験学習を通して鍛える方法はないか」を模索する。その後、花まる学習会創立時からの旧知であった高濱正伸と再会し、花まるグループに入社。教務部長、事業部長を経て現職。のべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績は、保護者からの絶大な支持を得ている。現在も花まる学習会やスクールFCの現場で活躍中である。