夏休みは学校がお休みの期間になるため、普段以上に自由に使える時間があります。そこで「時間の使い方を学ぶ」をテーマに、『夏の学習サポート講座』を実施しました。週に一度、オンラインで集まって1週間のスケジュールを立てます。翌週には前週の振り返りをして次週のスケジュールを立てる、そんなスケジュール講座を3週に渡っておこないました。
子どもたちの様子を見ていると、それぞれが困っているポイントをもっています。スケジュールを立てたのはいいものの、なかなか思い通りにいかない・そもそもスケジュールを立てることができないなど、さまざまでした。
今回は、3つステップを踏んで行いました。
①やるべきことを書き出す
②時間配分・優先順位を決める
③1日のタイムスケジュールを確認し、空いている時間に当てはめていく
いま自分がやるべきことを把握できていない子は①で手が止まります。たとえば、夏休みの宿題があるということは知っていますが、宿題の量を把握しきれていないため、「全部で30ページあるから、1日〇ページ」などという見積もりができないのです。
いつもギリギリになってしまう子は②を難しくとらえている可能性があります。読書感想文を例にしましょう。読書感想文を書きあげるまでには、まず本を選び、読まなければなりません。そのあと、印象に残ったところを選び文章にまとめていきます。それぞれのステップで時間を確保しなければいけませんが、その時間配分を上手く決めることができません。気がついたら夏休み終盤になっていて、慌てて本を探し始めるということが起こります。
ギリギリどころか、やるべきことが終わり切らない、いつの間にかダラダラと時間が過ぎてしまっている場合は、③が苦手な場合があります。やらなければいけないと思いつつも、なかなか体が動きません。高学年あるあるの一つなのですが、そこを突破する必要があります。そこで、自分の予定を可視化し「いつ、何をするか」を決めていかなければなりません。
この講座を経て、実際に子どもたちがどのように工夫をしていたのかを紹介します。1週目の予定を立てていましたが、急遽友達と遊ぶことになり、予定通りにうまく進めることができなったAさんは、翌週に「2つのパターンを考えた」と見せてくれました。なんと、友達と遊ぶパターン、遊ばないパターンに分けてスケジュールを立てていたのです。うまくいかなかったことから学び、イレギュラーがあったとしても乗り越えることができるように工夫していました。
また、今日やることをホワイトボードに書き出して、視覚的にわかりやすくする方法を見つけたBさん。スケジュール表に書いても、それを毎日ずっと見るわけではありません。そのため、常に見えるように小さいホワイトボードに書き出して見やすいところに置いておくことにしたそうです。やるべきことを残さずにできて「めっちゃいい!」と、笑顔で教えてくれました。
この2人に共通していることは、スケジュールを立てることを通して、自分に合うやり方を模索できたことです。もちろん、物事を円滑に進めることも大事ですが、それ以上に自分を知るということが大切だと感じています。自分は朝型なのか夜型なのか、一気に取り組むほうがいいのか休憩をはさみながら取り組むのがいいのか、自分が得意なものは何か苦手なものは何か、苦手なものに無理なく取り組むためにはどうすればいいのかなどと、自分自身と対話しながら自分の特徴を知り、工夫することに意味があると考えています。
はじめは、たくさん失敗をしてもいい、むしろさまざまな方法を試して、自分に合ったやり方を確立していくことが重要だよと伝えています。「朝に学習をすると決めたものの、やはり朝は準備時間以外確保することがむずかしいとわかった。だからやるべきことは、夜のうちに終わらせる」「お風呂に入ったら眠くなってしまうことがわかった。だからお風呂前には今日やるべきことを全部終わらせる」など、試行錯誤して自分のベストを見つけることにチャレンジしていってほしいです。今後も挑戦する子どもたちをサポートしてまいります。
花まる学習会 溝部祥子(2021年)
*・*・*花まる教室長コラム*・*・*
それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。
花まる学習会 ○○○○○(2021年)
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それぞれの教室長が、子どもたちとの日々のかかわりのなかでの気づきや思いをまとめたものです。毎月末に発行している花まるだよりとともに、会員の皆様にお渡ししています。