【イベントレポート】仁木耕平講演会「子どもの『語彙』…どうやって増える?どうすれば『太くなる』?」(2021/7/2実施)

【イベントレポート】仁木耕平講演会「子どもの『語彙』…どうやって増える?どうすれば『太くなる』?」(2021/7/2実施)

2021年7月、スクールFC仁木耕平『マンガでわかる! 10才までに覚えたい読解力・作文力のつく言葉1000』出版記念として、オンライン講演会「子どもの『語彙』…どうやって増える?どうすれば『太くなる』?」を開催しました。

■「言い間違い」に見る言葉の習得プロセス

当講演では、お申し込みの際に皆さまから「お子さんの言い間違い」を募集しました。実は、言葉の発達を知るには「言い間違い」が大きなヒントになる可能性があります💡

子どもは、聞いた言葉をそのまま繰り返して蓄積するのではありません。聞いた言葉についてのルールを自分なりに推測し、それに基づいて自分でも使ってみる、そしてさまざまな生活場面での経験から、そのルールを更新していくというプロセスを繰り返します。その過程で、さまざまな「言い間違い」が生じます。

どれだけ、言葉が『生きた形で』使われている場面に遭遇できたか。子どもたちはそこからしか学ばない」と仁木は語ります。そのため、言葉を正しく使えるようになるには、言葉だけを切り出して覚えるのではなく、さまざまな使用場面、使用例に出会う経験が必要だといいます。

■「9歳の壁」を乗り越えるには

勉強につまずきやすいと言われる「9歳の壁」。ここにも、言葉が深く関わっていて、語彙力が低い、または言葉を適切な文脈で使えないなどが原因だと仁木は語ります。

実は、言葉の理解には、「一つの言葉の意味の広がりを知る」「抽象的な言葉の意味を本質まで理解する」「その言葉と関連する言葉と関連付けができる」といった複数のポイントがあります。

講演では、これらの力を伸ばすために日常的にできることとして、普段の会話で実践できる工夫読書を有意義にするコツ、高学年以降の語彙力・読解力向上に役立つ「言葉ノート」の使用法など、さまざまなヒントもお伝えしました。

■めざせ!語彙力アップ

仁木の新著『マンガでわかる! 10才までに覚えたい読解力・作文力のつく言葉1000』では、中学入試でも頻出分野である「気持ちを表す言葉」を身につけやすくするため、マンガで状況や場面に結びつけられる構成とし、実際に言葉を「使ってみる」ための仕掛けをしています。

ご参加の皆さまからも、「習得の流れから実践編へと話が進んだので、非常に腑に落ちました。」「想像以上の具体例、参考になるポイントが多々あり、とても楽しく学ぶことができました。」など、たいへんご好評をいただきました。ぜひ、講演会の内容を参考にしてください。

 

【書籍情報】

📕『マンガでわかる! 10才までに覚えたい読解力・作文力のつく言葉1000』
著者:仁木 耕平 , 監修:高濱 正伸
発売日:2021年7月10日
出版社:永岡書店

■もっと深く知りたい方へ

\当講演のご視聴はこちら/ 
花まる子育てカレッジにて、当講演の動画配信をご覧いただけます。
(講演会当日から約10日後に配信)
▼「花まる子育てカレッジ」で検索!
http://hanamaru-college.com/
※花まる学習会・スクールFCにお通いの方は、無料でご覧いただけます。

【参考文献】
『ことばの発達の謎を解く(ちくまプリマー新書)』今井むつみ(著),筑摩書房
『ちいさい言語学者の冒険―子どもに学ぶことばの秘密 (岩波科学ライブラリー)』広瀬友紀(著),岩波書店
『デジタルで読む脳×紙の本で読む脳:「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる』メアリアン・ウルフ (著)・大田直子 (訳) ,インターシフト
『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』ダナ・サスキンド(著)・掛札 逸美(訳),明石書店
『親子で育てる ことば力と思考力』今井むつみ(著),筑摩書房

「幸せな受験」を通じて自ら学ぶ子を育てる【スクールFC】

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